歪んだ愛 - Loved Sadistically ~サディスティックに愛されて~ fc2 ver.

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最後に贈られた工藤の切々たる愛情

部屋に戻った私はレイコの部屋に行警察署での話をした

「ナナミの事が書かれてたって言われりゃ気になるよね...」

「遺*書の内容聞いたら聞いたで
また違うモヤモヤがあったんだろうね...」

「やめよう...ナナミお腹減ったでしょ
帰ってきたら一緒に食べようと思って.....」

レイコがテーブルに順に並べてくれた
温かいお味噌汁に卵焼きとおにぎり
とにかく帰ったら話すと慌てて出て行った私の為に
作ってくれたんだろう...

「あ~美味しい レイコも女の子だね~」

「なにそれ~私だって料理くらいは...あんましないか アハハハハ」

食べ終わった私はマサに今日お店が終わったら報告に行くと電話した

お店にも少し早く行ってマネージャーにも話そうと
支度をするため部屋に戻りレイコと美容院へ行って出勤し
マネージャーに迷惑と心配をかけた事を謝り報告をする

「そうか.....大変だったな.....大丈夫か?」

「はい本当にご心配とご迷惑をおかけしました」

「ナナミいろいろ思う事もあるだろうが...終わったんだ...
時間はかかるだろうけど忘れろ...前だけ見てろ...」

「はい ありがとうございます」


お店が終わりBARへ行ってマサにも話をし
部屋に帰った私はシャワーを浴びベットに倒れこんだ

「はぁぁぁ...」大きな溜息が部屋に響く

疲れていた私はいつの間にか眠りにつき
何事もなかったような朝を迎え1日が始まる

いつもと同じコーヒーを飲み
名刺の整理と手帳の確認と記入
バタバタしていたせいか
ほとんど何も入ってない冷蔵庫の中を埋めるため
レイコを誘ってスーパーへ行った

重い荷物を抱え正面玄関でポストを開けて見てみると
数枚の郵便物そして.....シンプルな封筒
ちゃんと投函して届いたその手紙...封筒の裏には工藤の名前...

「レイコ......」

「えっ...なにこれ......」

部屋の戻った私は荷物を放って恐る恐る手紙の封を切った


【ナナミ これで完全に俺はお前だけのものだ
俺の愛はずっとこれからも変わらない永遠に・・・
今際の際まで...いや肉体が滅んだ今も俺はナナミを想い愛し
輪廻転生を繰り返し何度でもナナミと出会いナナミを愛する】

「レイコ...これって...もしかして..死ぬ前に...出したの.....かな」

「アイツ...最後まで何もわかっちゃいなかったんだ...」

結局 私の言ってる事はこれっぽっちも通じてなかったのか
それとも....
工藤の言ってた忘れられないものに...っていうのが
工藤の死とこの手紙なんだろうか・・・

「今際の際まで...肉体が滅んでも...これが工藤の言ってた
忘れられないものにってこと?...工藤の執念?」

「ナナミ...もう本当にこれが最後...これで終わり
アイツはもういないのよ...」

「うん.....」



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THEME:恋愛小説 | GENRE:小説・文学 |

歪んだ愛の結末

警察の言葉に私の心臓はバクバクと音を立て言葉にならなかった

「もしもし?橘さん??」

「.........はい」

「それで少しお話を伺いたいのですが...」

「え.....あ...ぁあ.....はい...」


電話を切って北山弁護士に電話をかける

「橘ナナミですが...あのぅ警察から電話があって」

「ええ、私は山本弁護士から電話がありました」

「そうなんですか.....あっ、えっと 私警察に呼ばれて...」

もう北山弁護士にも知らせが行っているのか
じゃぁ...あれからすぐに?

「大丈夫ですか?一緒に行きましょうか?」

「あ、、お願いできますか?」

警察署の前で落ち合う事にし レイコに簡単に説明をし出掛けた

「橘さん...大丈夫ですか?」

「あ、、、たぶん.....はい大丈夫です」

「では 行きましょう」

警察署に入ると以前と同じよう小さな部屋に通され
今 工藤の事でお世話になってる弁護士ですと
北山弁護士の事を言うと 刑事らしき人が
そうですか...それではと話を始めた

「電話で伝えたように明け方近くに工藤の遺体が発見されました
オフィスから自筆の遺書が発見されたのと
現場検証から自殺でほぼ間違いはないのですが...」


自殺?あの工藤が?呆然と考える私に更に刑事が話を続ける

「その遺書なのですが....橘さんの名前が書かれてまして...」

「えっ!」

「橘ナナミは何故呼ばれたのでしょうか?」

真意をつかない話に北山弁護士が刑事に聞く

「はい...ほぼ自殺で断定なのですが...一応名前がありましたので
念の為昨日の行動と工藤との関係を お聞きしたいと思いまして」

アリバイを聞くため?工藤との関係??

「お店のお客様です」

「それだけで?」

「私が説明します」

そう言って北山弁護士は 工藤がストーカー行為を続けていた事など
いろいろな経緯を話し 今後の対応の前に
昨日お互いの弁護士を交え話合いをした事、そして
工藤の最後の意味深な発言を刑事に話してくれた

「なるほど...それで昨日の話合いの後は?」

「自分の部屋に戻りました 疲れていたので仕事は休んでます」

「部屋に居たのを誰か知ってますか?」

「友人が同じマンションにいるので夜少しの間は一緒にいましたが
11時くらいに友人は自分の部屋に戻りました」

「そうですか、その後は」

「シャワーを浴びて寝ましたけど...」

「ありがとうございます、お聞きしたいのはそれだけです
ご足労をおかけして申し訳ありませんでした」

「あのぅ......」

「なにか?」

「私の名前が書かれてたって...
何を書いてあったのかは教えてはいただけないのですか」

「申し訳ありませんが遺書の内容はお話することはできません」

「・・・・・そうですよね」

知りたいような...
知りたくないような...
知っても仕方がないような...

モヤモヤした気持ちのまま警察署を出ると北山弁護士が

「自殺で決まるでしょう。大丈夫ですよ これで....終わりです」


終わり...喜ばしい言葉ではあるが喜べない自分がいた
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不安と恐怖を掻き立てる発言...そして

暫くの沈黙が続き工藤が私を見て静かに言った

「俺のナナミに対する愛は変わらない永遠に...
その愛を...俺を...一生忘れられないものにしてやる」

その工藤の言葉に山本弁護士が

「何を言ってるんですか?今の状況理解してますか?」

「それだけだ、行こう」

何かを言おうとした北山弁護士を見る事もなく席を立ち
部屋を出ていく工藤
それを追うように一礼をし部屋を出る山本弁護士

それを見送りながら
「なにをするかわかりませんが 早くした方がいいですね...」

「はい」

「告訴状を作成しておきますので 証拠品を持ってきて下さい
そうですね....明後日でいかがでしょう?」

「わかりました お願いします」


弁護士事務所を出た私は心配してるレイコに電話をした

「レイコ....今終わったよ」

「大丈夫?」

「うん」

帰ってゆっくり話す...
と言い電話を切ってレイコの部屋を訪ね今日した話をレイコに伝えた

「結局のとこアイツはわかってないんだね」

「うん...何かもう自分が思ってる事が全てみたいでね
何かにつけ平行線で話合いにはならなかった...
まっ好意は全くないし
全て私の意思でやってることを言いたかったから...」

「最後まで意味不明な事言ってるしさ 早く何とかなればいいね」

「忘れられない...か・・・
ある意味忘れたくても忘れられないこと...もう...されたんだけど」

「......まだ何かしてくるかもしれないから気を付けなきゃね」


何を考え 何をしてくるかわからない工藤の最後の言葉は
より一層 私を...私達を不安と恐怖に陥れた


その日 精神的にどっぷり疲れた私は事情と経緯を話し
レイコ1人では危険だからとレイコと2人店を休ませてもらった


静かに夜は更け いつの間にか眠ってしまった私は
携帯の着信音で目が覚めた

まだ8時を過ぎたところだというのに...

電話の相手は警察だった...

「橘ナナミさんですね?」

「橘....」フルネームで呼ばれたのって・・・

そんな事をボーっと考えてる私の耳に

「実は.......」

警察が衝撃的な事を言った...
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どこまで行っても交わらない会話

揚げ足の取りあいのような話をしても仕方がないし
こんな話を続けても平行線だ

「勘違いさせてしまった事は悪いかもしれません
だけど...して良いことと悪いことがあるし.....
ストーカー行為をして良い理由にはならないですよね?」

「俺には嫌がってるように思えなかったけど」

「はぁ?」

「ああいう無理矢理なプレイが好きなんだろうと思って」

「・・・・・」

コイツよくも...
いけしゃぁしゃぁと この場でそんな事言えるわね
恥ずかしさより怒りがこみ上げる...

「工藤さん それこそ貴方の思い違いです。
貴方のやった行為は犯罪ですよ?
警告と最初の内容証明後、そして2度目の内容証明も無視して
ストーカー行為を続けている」

「だから、それは周りが何か企んでナナミを丸め込んだんだろ」

「いえ、それも全くの思い違いです
だから今日ハッキリと自分の口で意思を伝えるため
この話合いに応じたんです」

「そうよ、誰の意思でもない私の意思なのよ
全く好意もないし迷惑してるし...
今後何されるかと思うと不安と恐怖でおかしくなりそうなの
貴方は全然それをわかってくれない
だから法的手段しかないのよ」

「ナナミの意思....?」

「そうよ」

「俺の気持ちはどうなる...俺の愛は.....」

「勘違いさせてしまったことは申し訳ないけど...どうにもならないわ
私は受け入れることはできないから諦めて下さい」

「受け入れただろ...なんでだ」

「だから.....」

今度は私の意思が受け入れれないのか...
結局自分の気持ちを押しつけ自分の思うようにしたいだけなのか...
本当にわからない人だ

「受け入れていない 貴方が勝手に想いを押しつけて勘違いしたのよ
自分の想い...自分だけの事しか考えてないのよ
私が嫌がってるのも迷惑してるのも...何も考えないし何も思わないのよ」

「違うだろ....」


これもまた平行線に終わる...そう思った時 北山弁護士が口を開いた

「工藤さん貴方の気持ちはよくわかりました
しかし やってはいけないことはやってはいけないのです
今後も貴方の行為が止まるようには思えませんので
内容証明にも記したように法的手段に移らせて頂きます」


「そちらの意向はわかりました こちらもそのつもりで対応致します」

山本弁護士は静かにそう言った


「待て!」

工藤が一言放つ...

やはり法的手段は困るのか...
普通の考えをもっているところもあるのか...
それともまだ...


その後の言葉は...

工藤は何を言い出すのか...
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「好き」からの始まり

言葉を発した工藤の顔は表情は冷酷そのもので
あまりにもおぞましく言葉に詰まった

「なっ........」

両手をぎゅっと握りしめ返す言葉を探していると
山本弁護士がさらに無表情な顔で

「工藤に対して好きだと言葉に表したのですか?」

「っ...ぃ...い...え・・・」

ここで怯んではダメ!心でそう自分に言い聞かせる
そして大きく深呼吸をして

「いえ、好きだと言葉にしたことはありません」

「好きではなく他の言葉で言ったりもしていませんか?」

言い切ったものの
お客様として冗談やなんかで言ったかどうか考えてると
北山弁護士が

「仕事上のお世辞や社交辞令による言葉を
そちらがどう取るかにも変わってくると思いますが」

そして私を見て

「貴方が個人的に好意を抱き
愛情を言葉で表したことはないですね?」

「はい、全くありません
工藤さんとは仕事上お客様として考えてましたので....
お店以外で食事なんかをしてる時の会話も全て仕事上です」

そんな話は聞こえていないかのように工藤が口を開く

「初めて会った時好きだと言っただろ?」

北山弁護士がその言葉に質問する

「ナナミさんはどのように貴方に言ったのですか?
言った言葉を具体的にお話下さいますか?」


初めて会ったとき?どんなだっけ??
あぁそうだ別のお客様に連れてきてもらっていて
私が工藤の横に座ったんだっけ....
でも好きなんて言ったかな.....

頭の中でその日の事を思い出す

「俺みたいな男好きだと言ったんだ」

北山弁護士が言葉を繰り返す

「工藤さんのような男性が好きだと?」

「ああ...」

「工藤さんのようなであって
工藤さん自身では無いとも捉えられますね」


そう言えば...どんなタイプの男性が好みか
という話をしてて 工藤のような男性と答えたかも....
そんな事を思い出してる私を見て山本弁護士が

「勘違いするような発言をしたんですね?」

「あ...えぇ....どのような男性が好きなのか聞かれて...
でも こういう仕事をしていれば どのお客様でも
目の前に居るお客様に合わせた返事をします」

「どのような男性が“好き”かと聞かれて
工藤のような男性と答えたわけですから
自分は貴方の好みの男性だと思ってもおかしくはないですよね
その後も貴方は仕事と割り切ってと考えてでしょうが
お店以外でも工藤と食事したり...と誘いに乗った
それが更に勘違いをさせることになった
貴方に全く非がないわけではないですよね」

そう言われてしまえばそうかもしれない
でも、それがストーカーをして良い言い訳にはならない


そもそも その言葉だけであんな風になるんだろうか.....

いや、でもその言葉が発端なんだろう....
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弁護士立会いのもと始まる話合い

その日はお互い同伴が入ってゆっくり話す時間もなかったので
お店が終わり帰りのタクシーの中でレイコと話を始めた

弁護士からの電話の事と話合いは明日だと言う事を話すと

「1度話すってのはいいかもしれないけど...明日かよ!」

「うん、北山さんの都合もOKって言うし
早い方がいいじゃない?」

そう、あの後すぐに相手弁護士に連絡を取った北山弁護士は
私が早い方が良いと言ったのを強く押し
明日でなければ暫くは都合がつかないし
今もまだストーカー行為は続いてるから日にちが空くと
その分ストーカー行為を受けるかもしれないし
それなら早く行動を起こしたいので受け入れる事は難しい
そう言ってくれ何とか都合をつけてもらったようだ


タクシーがマンション前の道に入り近づいたが
待ち伏せはしていない...降りて螺旋階段を見上げるも
人の気配はなさそうだ...

「これでいたら驚くよね」

辺りを見回しながらレイコが呟く
さすがの工藤も こんな状況で普通ならありえないか...
もしくは弁護士に止められたか...

どうだかはわからないが何事もなく夜は過ぎ
約束の11時 その30分前に北山弁護士事務所に着き
今日の話合いについてや注意などを話していると
10分前に工藤とその弁護士がやって来た

「初めまして 工藤の弁護士の山本と言います」

簡単な挨拶を済ませ席につき
北山弁護士が「早速ですが」と話を始める

「最初の内容証明により
橘ナナミさんの意思表示はしたと思いますが
貴方本人は受け入れてない様子なのであらためて
本人から直接伝えたいとの事で話合いを受け入れました」

北山がそう話を始めると山本は

「はい、では この最初の内容証明の通り 橘さん...
貴方に好意と言った感情は全く無いということですが
夜のお仕事をされてると聞いてますが
嘘でも何か言ったりしていませんか?」

「そういった質問はこちらの話の後でお願いします」

相手ペースで話しだそうとするのを止める北山弁護士

「じゃ 橘さんのお話からどうぞ」事務的に山本弁護士が言う

「はい.....」


いよいよだ...上手く言えるだろうか
ドキドキして言葉が出ない...

「橘....さん?この内容証明にあるよう
貴方には好意は全くないんですよね」

優しく問いかける北山弁護士に

「はい」と答え

その一言から私は工藤に対する好意は全くなく
勘違いされて迷惑していること
ストーカー行為に不安と恐怖を抱いてること
私の言動を周りの人のせいにしていること

そして はっきりと私の意思でこれを伝えてることを
時々つまりながらも話した

「じゃ 好きだと言ったのは嘘か」

工藤が口を開いた....

その言葉に私は驚いた
そんな事言った覚えはない・・・・
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予期せぬ申し入れ

慌ててレイコに電話をかけると部屋まで来てくれ
もう1度2人でこっそり螺旋階段を見る

「ナナミ...誰もいないんじゃない?」

「さっきは人影が・・・」

それから後も何度か覗いて見てみたが気配はなかった

「ナナミ...マンション前の写真はあそこからかな~?」

「わかんないけど...たぶん....
高性能なカメラだといけそうじゃない」

「とにかく 私達の行動範囲は読まれてるし
その何処かに潜んでるのは確実だよね」

「仕事のある日は特に行動範囲は限られてるからね...
まだ私にはレイコがついていてくれるから心強いけど
1人だととっくに病んでるだろうな...」

「なるべくカーテンは開けない方がいいよナナミ...」

「うん...最近は閉めたままだから大丈夫」

そのままレイコは部屋に戻らず泊まってくれ
起きて少ししてから部屋に戻った
軽くお昼を済ませ手帳のチェックと書き込み
そして営業メールや電話をしていると
北山弁護士から電話がかかってきた

「その後はどうでしょう?」

いろいろと経緯を話し隠し撮りの写真と
メール、着信記録はおいてあると話をすると

「そうなんですか...それにしたら変なんですよ」

「なにか?」

「実は...工藤側も弁護士を入れてきてるんですね
それで1度お互いの弁護士を入れ4人で話をできないか
と工藤側の弁護士が言ってきてるんですよ」

「えっ....」

「法的処置をと言っているので
弁護士も必要と言えば必要なんですけど.....それで
話合いって言うことは和解なのかと尋ねると
法的処置は1度話合いをしてからでも...と言ってるんで...
でも、まさかそんな事を弁護士に言わせておいて
まだストーカー行為を続けてるとは...」

「話合いをしてわかってもらえるとは思えないんですが...」

「そうですね
では弁護士には今もまだストーカー行為は続いているので
話し合いは受け入れられないと言っておきましょう」

「あ...でも・・・和解は受け入れれないけど...
話合いというか...工藤は周りが私と工藤を無理に
引き離してるように思ってるし
今回の法的処置も私の意思ではないと思ってるんで
ハッキリと私の思いや意思であることを伝えるには
そういった場を設けてもらうのもいいかな...
工藤には無意味かもしれませんが弁護士さんにも
わかってもらう為に・・・・・」

「今後のために
ハッキリ口頭で伝えておくのも良いかもしれませんね
では
話合いではなく本人の意思を伝えるのが目的である事を前提に
今後の法的処置についての話をすると言う事で受け入れましょうか」

「・・・・・・はい」

「では都合の良い日を教えて頂けますか」


弁護士も立ち会うし危険は無いだろう...が
それが本当に良いかどうかはわからない...
何度言ってもわからない工藤の事だから無駄かもしれない...

でも...

電話を切ったあと...心の葛藤があったけど
弁護士がいる前で工藤が何をどう言ってくるか...
こんな状況の中 今もまだつきまとう事をやめないのは
やっぱり頭がおかしいからだろうけど
ほんの僅かでも心理や思考がつかめれば.....


とにかく
何かをせずにはいられない.....
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潜む影

お店へ行きそこそこお客様も入った時間
久しぶりに日向さんが来店した
いつものようで...すこし違った感じがする

「日向さんお忙しかったのですか?」

「ああ、まぁね」

「じゃ少しお疲れなのかな」

「ん?なんで そんなことないけど」

日向からすれば工藤から言われた事を真に受けないにしても
ただ..あからさまに しかも男の口から聞くと・・・
工藤との関係がどうであれ しらけてしまうところもある

男女の関係がなくても女を...夢を売る世界だから・・・


ナナミと話をしながら日向は
”確かめる事でもないか...”心で思った

そして1時間ほどで日向は席を立った
日向を見送り手をふるナナミ

「ありがとうございました またお待ちしてますね」

店に戻り他のお客様の接客をし
何も知らないまま店は閉店しレイコと2人BARへと足を運ぶ

「ナナミ 久々だったんじゃない...日向さん」

「そうね1週間? ん~10日かな?...忙しいみたい」

「営業しなかったの?」

「うん...今までは営業しなくてもって感じだったから
お礼メールとかくらいだったのよね・・・
いろいろあるし...
他のお客様への営業も少し疎かになってるな...」

正直それどころではないといったところだが
仕事は仕事...お客様には関係のないこと
工藤の事はもう少し証拠が集まり次第でという事になってる

「さて、そろそろ帰るとしますか!」

「そうね」

工藤がいないことを心で願いながら帰宅する


「ナナミ 今日もいない...ね」

「うん でも何処かに隠れて見ているかもしれない」

「あ~早く何とかならないかな~」 

タクシーを降りしゃべりながら正面玄関へ行き
ロックを解除しようとした時
携帯がメールの受信を知らせる

そのメールを部屋に戻って見てみると

≪ナナミ おかえり≫

「!!!!!」

慌ててカーテンの隙間から外を見ても工藤の姿はない...

「どこにいるのよ・・・」


ふと道の向こうのマンションが目に入る
並ぶドアの一番左側は非常用の螺旋階段...

「まさか....ね」

目を凝らし階段を見つめる...

「・・・・嘘...」



螺旋階段で何かが...人影が動いた?
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姿無き追跡者

レイコの部屋に戻り片づけを手伝う

「ナナミ今日はもういいのに...」

「いいのよ交番も行ったし....あっ・・・」

「ん?」

「ああいう会話を録音しなきゃいけなかったんだ」

「あ.....」

恐怖や不安...苛立ち...
そんな感情の中で忘れてしまっていた...
証拠を残すということを...

「怖いけどムカつくけど...冷静に...落ち着かなくっちゃ」


その日は少し片付けた後
私は1人部屋に戻ると何だか静かで落ち着かなかった

次の日も少し遅い朝を済ませレイコの部屋へ行き
片づけを手伝い 美容院に一緒に行き お店に入る

「今日もアイツいるのかな」

「今日話しかけてきたらちゃんと録音しなきゃね」

通りを曲がりそろそろマンション前に近づくが
見通せる範囲に工藤の車はない

「いなさそうだね」

「うん」

それから2日間工藤は現れなかった

そして...3日目
レイコとコンビニに行った後ポストを見ると
また直に入れた封筒が郵便物に混ざっていて
嫌だなと思いながら開けてみると
工藤の現れなかった日の私達の写真が入っていた

「ナナミ...工藤の姿は見なかったよね」

「うん 隠れて何処かから撮ってるのね...
でも、このマンションから出てきてるのは...」

「隠れられそうなとこ...ないよね・・・」

「気味悪いな...」

そう話している時工藤からメールが入った

≪ナナミ 俺はいつでもナナミのそばにいるよ≫

ハートマーク付きで送られてきたメールに悪寒が走る

「どこにいるっていうのよ...ほんと気味悪い・・・」

ふと、お客様が話していた姿なき殺人者という
映画のタイトルを思い出した.....

「ナナミ変なこと言わないでよ...」

「殺人者じゃなく追跡者?」

「どっちも嫌だわよ!つか、そっちも映画あったんじゃない?」

「そうなの?」

「たぶん.....
私もお客様に聞いたことあったような...なかったような...」

「どっちにしても不気味で気味悪い...か...」


そして、その日も工藤の姿は見なかった
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興奮と恐怖

勢いよくBARのドアを開け入った私達に
「どうした!」と聞くマサにここまでの経緯の話した

工藤の為に他の事が考えられなかったり
他の事が出来ないのは悔しいし腹立たしいし
普通でない考えの工藤の言動をああだこうだと
話しても答えはでないから
なるべく3人でも遭ったことだけを話してはいるが

不安と恐怖はいつもついてまわる

「レイコ
お客さんも入ってきたみたいだし帰ろうか?」

「そうだね 帰って家飲みするか~」

「ええ...まだ飲むの・・・」

「冗談よ 必要なものだけでも出さなきゃ」

「そうね 手伝うよ」

気をつけて帰れよというマサに手を振り店を出て
工藤がいないかを確認してタクシーに乗り戻ると
マンション前の道に工藤が車にもたれ立っている..


「まじ.....どうするナナミ...マサのとこ戻る?」

「戻って また帰ってきてもいるかもしれない...
まだ時間も早いしブザーもあるし...」

強気の発言をする私の声は震えている

「うん...」

タクシーを降り工藤のことは見ないように
ブザーを握りしめ正面玄関へ向かおうと歩き出した瞬間

「レイコ...さんでしたっけ...?」

「えっ」驚いたレイコが小さく声を上げる

「もうそろそろナナミを返してくれないか?」

無視して歩き出すと少し大きな声で

「貴方のおかげで何か私が訴えられそうでね」

それを聞いた私は思わず振り返り

「レイコは関係ない!私の意思よ!!」

「そんな女 庇うことはないんだよナナミ
どう言い包められてるか知らないが
そいつは俺とナナミの愛を邪魔したいだけなんだ」

そんな女?...そいつ??...
私の事を思い一緒に頑張ってくれるレイコの事を...
大切な友達の事を...コイツは・・・・

「貴方...おかしいんじゃないの!!
私は貴方の事なんて全然好きじゃないし迷惑してるの!!
なんでわかんないの!?
嫌われてる相手に執着して嫌がらせして何が楽しいの!」

じわじわと詰め寄ってくる工藤を見て

「ナナミ!やめな...アイツには通じない...行こう」

私の手を取り歩こうとすると

「おかしいのは その女だろ?わかってんだろナナミ」

と真後ろで また少し大きな声で言う
私は怯みながらも

「おかしいのは貴方よ!!」と言い返すと

「何言ってるんだナナミ 落ち着いて...ほら...」

工藤が私の肩を掴んだ

「ひぃぃぃっ」

「ちょっと何やってんのよ離しなさいよ」

「オマエは関係ないんだ黙ってろ!!」

肩を掴む工藤が声を張り威圧する

「やめてよ!嫌いなのよ!!迷惑なのよ!!!
私にかまわないで!!私の前に現れないで!!!」

興奮と恐怖が私の声を荒げていく...

私の叫びを聞いたレイコが咄嗟にブザーのピンを抜くと
ブザーの音が大きく鳴り響き
その音を聞いた工藤が舌打ちをし車に戻り走り去っていく

レイコが抜いたピンを戻すとブザーは鳴りやみ
まだ早い時間だったからか 音に気付いた人が
2人こちらを見てる...近くに行き

「すいません不審な人が
しつこく声をかけてきたものですから...」

「大丈夫ですか? 警察呼びましょうか?」

「いえ、、、大丈夫です 有難うございます」

謝罪とお礼をすると2人は帰って

興奮と恐怖が少し収まった
私達はこの前行った交番へ行き経緯を話した
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何も知らない私達の元へ

そんな事を知らずに荷物が運び終えた部屋で

「あぁぁぁぁ...この段ボール見てると泣きたくなる」

「あはは ちゃんと手伝うから」

「でも、やっぱ引っ越して正解ね 今までのとこより
広いし綺麗だし 何たってオートロックだしね~」

「彼氏も連れ込めるしね?アハハハハ.....」

「ねぇ~♪ ナナミそれよりお腹減らない?」

「そうね お腹減ったわね」

「わっ!もう....4時だわ!11時に始まって5時間?
でもそんなものか 時間見たら余計お腹が....」

「通りに出たところのラーメン屋さんいこうか」

「いいね~」

マンション前の道から通りに出てラーメン屋さんに入り
とりあえず...と餃子1人前と生ビールを頼み乾杯する

「あ~~~労働の後の一杯は美味しいね~」

「レイコ...おっさんなってるよ」

「そういうナナミも凄い勢いで飲んでるけど?」

生ビールを飲み干した頃 丁度ラーメンが運ばれ
それを夢中に食べる私達

「あぁ~お腹ふくれた~」

「ほんと お腹いっぱい」

「でもナナミ?」

「なに?」

「お酒が足らないわ!!」

「ぷっ 何それ 帰って少しでも片付けなきゃ~」

「大丈夫 すぐに必要なものはまとめてあるし
徐々にやってけばいいんだよ~~~」

ならば...と
会計を済ませラーメン屋を出て前の通りでタクシーを待つ

「今日はこないね~ 乗り場まで行く?」

「遠いから嫌だ~」

「遠いって...5分かからないよレイコ...」

ウダウダ言ってると1台の車がスーっと止まった

「え......」

助手席の窓が開き工藤がこちらを見てる

「ナナミ あっち行こう」

「あ、、うん」

進行方向とは逆に歩きだし振り返ると車は止まったままで
そこに通りがかったタクシーを停める

「つけてこなきゃいいけど.....」

運転手に行先を告げタクシーが
工藤の車を追い抜くと同時に走り出す

後ろを気にして見てる私達の目に工藤の車が映る

「最悪......」

BARの近くで降りると工藤の車も停まり降りて来る気配もない...


逃げるように早歩きで店に向かいBARに入った
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歪んだ愛~工藤side Ⅴ~

夕方...オフィスに戻ろうとする日向を1人の男が呼びとめる

「失礼します 日向さんでいらっしゃいますか?」

「ええ、そうですが...」

不思議そうに男を見る日向さんに笑顔で

「私 工藤と申します 今少しお時間よろしいですか?」

名刺を渡しながらそう言う工藤に

「あの....何か?」

「お時間は取らせません...ナナミさんの事で少し...」

「はい...なにか?」

「あ、、宜しければあちらで」

向かいのビルの1階にある小さな喫茶店に目をやる

「あまり時間ありませんが...」

「ええ、」

喫茶店に入った2人はアイスコーヒーを頼み
すぐに話を始めた

「ナナミさんの事と仰ってましたが...私になにか...?」

「お店のお客さんとして親しくして頂いてるようで....」

「はい それが何か?」

「率直に申しますが私ナナミさんとお付き合いしているのですが
私との約束があっても、お客様だからと優先するんですね
仕事なのは承知してるのですが...度々あるとやはり.....
本人も仕事でお客様だから言い辛いようですし
今後は控えていただけませんか?」

知らない男に呼び止められ不躾にそう言われても
それに男がそんな事を言いにくるだろうか...
しかも 働いている店の客に...
名前を言うくらいだから知り合いではあるだろうが...

工藤の顔をマジマジと見ながらそうは思うものの
時間もなくとりあえず返事だけして出ようと

「そうですか お話はそれだけでしたらこれで」

立ち上がる日向に工藤が

「はい、ナナミが私のものだとわかっていただければ結構です」

一礼をし伝票を持って店を出る日向

日向が出た後タバコに火を付け不気味な笑顔をしながら

「ナナミ...安心しろ...
これでアイツは俺等の愛の邪魔はしない」

一口も口にしなかった日向のアイスコーヒーに
タバコを投げ込み店を出る

あとは...あの女か....
あの女のせいでまた内容証明がきたからな....
俺等の愛が法律に屈する訳ないだろうバカな女だ

まぁそのうちナナミが俺を愛してることがわかるさ.....
THEME:恋愛小説 | GENRE:小説・文学 |

見つめる1つの影

金曜日になり お昼からレイコの部屋を片付けに戻り
お互い同伴をし店を終えレイコの部屋に帰る
日曜の引っ越しに向け
土曜の昼と深夜に最後の片づけをする為に.....

「いよいよ明日だねレイコ」

「うん、これでもう全部詰めた...よね」

「段ボールだらけ~ アハハハハ」

「そういやここ2日?アイツなにもしてこないんじゃ?」

「そうね....それも不気味なんだけど...」

「内容証明届いたんじゃない?」

「それだと良いんだけど.....」

たぶんそれは無い...キチ*ガイじみたアイツには
もうそんなもの通用しない気がする...
何を企んでいるんだろう...

「そういえばナナミ 今週は日向さん来なかったね」

「忙しいんじゃない?」

「冷たい女だわ...」

「ええーなんで~ 」

「キスした仲なのにさ~ つれないわ~」

「.....そうだけど・・・・正直...今そんな事考えれないんだ」

冗談気にちゃかすレイコについ本音がポロっと出た

「あ...ごめん....そうだよね....」

「あ...レイコごめんごめん...」

「でもねナナミ...
それこそアイツのせいでダメになっちゃうとかありえないよ」

「ん...っていうかダメになるとかどうとかって以前よ
特別何かあるわけじゃないし...」

そう、、、キスをしたけど...それだけ...
キスをする前と何も変わらない日向さん...

「今は今の事を考えよう!!」

ガッツポーズでにっこり笑うレイコに

「うん!」と元気に答えた


その笑い声のある部屋をじっと見つめる1つの影...

「ちゃんとナナミは俺だけのものと邪魔をしないでくれと
そう伝えたよ...」

何も知らずに眠りにつく2人.....


→大人の恋愛のためのラブリッシュラブエッセンス
塗って 香って 熱く 激しく 情熱的に

THEME:恋愛小説 | GENRE:小説・文学 |

静けさの中の恐怖

弁護士事務所を出た私達は...レイコの部屋が工藤に知られ
オートロックではないレイコの部屋より
部屋までは来れないオートロックの私のところの方が
まだいいだろうと数日ぶりに私の部屋に戻った

タクシーを降り辺りを見回し確認して正面玄関へ向かい
その横にある細い縦長のポストのロックを開けた

「・・・・・なによこれ」

「ん?」

中には同じ封筒が4つ入っていて封もされず直に入れたのがわかる
封筒の中は全てが同じで女性が恋人に送るようなハートいっぱいの
何も書かれていないメッセージカード...

「工藤よね...これ...」

「アイツだろうね...気持ち悪い...」

そうレイコと話してると横目に映る前の道に1台の車が止まった

「うっ....」

私の顔を見てレイコも前の道に目を向ける

「鍵!早く!!」

「う...うん」

車の方を見ても降りて来る気配はない

扉が開き慌てて中に入りロックがかかった音に安心し
もう1度前の道を見ると車はスーっと走り去った...

「なんで....いるのよ」

「ずっと見張られてる...?」

部屋に戻って窓からもう一度更に確認してみたが
車はいなかった...
お店へ出勤する時も車もなく工藤の姿も見当たらない...
また来たらどうしようと思ってたけどお店にも来なかった...

そして夜遅くお店が終わりタクシーで帰ると少し向こうに
昼間に見た車が止まっていた...
私達はタクシーの運転手にお釣りはいらないから
私達が正面玄関を入るまで
ここに止まっていて欲しいとお願いし
気の良い運転手が快くOKしてくれ
防犯ブザーを手に正面玄関へ向かった

タクシーがいたせいかどうかはわからないが
何事もなく玄関を入りそそくさと部屋に入った

「もう...いないみたいよ」

カーテンの隙間から外をみるレイコが言う

「何なの....不気味だわね...」

次の日 同伴があるレイコと美容院へ行き
出勤時間まで1人時間を潰すのも...と早くにお店に入った
ロッカールームで雑誌を見てると携帯がメールを知らせる
嫌な予感しかしないが他のお客様かもしれないと携帯を見て
溜息をついた...

≪今日は素敵なワンピースだね 可愛いよ≫

添付されている写真は今日の私の姿で美容院を出たところだ

背筋に悪寒が走る...「どこにいたのよ・・・」

嫌な気持ちのままお店が開店し営業が始まる
気分を晴らそうと早くからお酒をハイペースで飲み
必要以上に明るく楽しく...心を紛らわせる

そんな努力も虚しく閉店後帰ると また車が止まっていて
出て来る気配は無い.....

次の日も....写真の添付されたメールと
帰ると止まっている車...


静けさの中恐怖を感じる...
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メールと影

何故レイコの部屋がわかったのか...
店の周りもタクシーを待ってる時も工藤はいなかった

また何処かからこっそり見ていたのか...

一定の間隔をおいて鳴るチャイムはまだ続いてる...
レイコと2人ひたすら静かに身を潜めていると
やがてチャイムが鳴りやんだ

少しして携帯がメールを知らせる...
送り主のところに出るアドレスで工藤だとわかる

「.....」

≪大丈夫かい?寂しくはないかい?≫

メールを確認してるとレイコがカーテンの隙間から窓を覗き

「明日...北山さんのところへ行こう
電話をして少しでも時間があるなら話に行こう」

声には出さなかったが工藤らしい人影があったんだろう
レイコの顔がそれを物語っている...

「うん...」

次の日...ほとんど寝れなかったレイコと私だけど
妙に目が冴えて...早く時間が経たないかと待ちに待って
9時だともう大丈夫だろうと思い北山さんの事務所ではなく
名刺に書いてあった携帯に電話をかけた

すぐに出た北山さんに今日時間が取れないか尋ねると
13時から1時間ほどなら...と言うので
言われた時間に事務所を訪ねた

この前の電話からの後の事を話 工藤からのメールを見せる

「自分の意思ではなく言い包められ
工藤に会わせてもらえないと思っているんですね...
それで貴方が悲しみ工藤に助けを求めてると...」

「だと思います...」

「話が全く通じませんから...もう一度内容証明を送りましょう
好意が無いこと、そして法的処置を考えているではなく
法的処置に向けて準備を進めていくという事で....

そのように進めて行ってよろしいですね?」

「はい...」

「その間も何かあれば証拠は残して
接触があれば逃げて警察に知らせて下さい」


もう目の前に現れなきゃ何でもいいと思った
あの忌まわしい事を話すのは嫌だけど...

これ以上皆に迷惑はかけれない...
THEME:恋愛小説 | GENRE:小説・文学 |

鳴り響くチャイムの音

「レイコ...ごめん私のせいで....」

私が工藤を拒否するのはレイコのせいだと思いこんでる
その事が申し訳なく悲しく謝る私にレイコは

「ナナミのせいじゃない全部...全部アイツが悪い
頭がおかしい...キチ*ガイじみたアイツが...」

アイツ...工藤の事を考え何も出来ないなんて嫌だ
そう2人で話し夢中で部屋の片付けをしたが
やはり外に出るのは怖く宅配で食事を済ませた

「せっかくの休みなのにごめんねナナミ」

「謝らないでよ~」

「うん、そうだね...じゃナナミももう私に謝らないでね
それより今日もここに居たほうがいいんじゃない?
アイツ絶対待ち伏せしてるよ」

帰らなければ何かするんじゃないかと不安に思う私に
帰っても帰らなくてもアイツの考えてる事わからないし
何をするかなんてわからない
それなら知られてないレイコの所の方が良いんじゃないか
...とそのまま帰らずにいることにした

その日も次の日も工藤からのメールや電話はなく
夕方いつものように美容院へ行きお店へ出勤し
途中お客様を送りロッカールームで化粧を直していると
マネージャーが深刻な顔をして入ってきた

「ナナミ....工藤が来た」

「えっ・・・」

「断ったんだが何もしていない自分が何故断られるんだと
それでも断っていると怒りだし声を荒げかけた時
オーナーが他に女性はつけられない自分が相手で宜しければ
と言って入れたんだ、それでナナミには今出てくるなと...」

「.....申し訳ありません・・・」

結局 私が出なかった為か工藤は30分程で帰った
閉店後はマネージャーが辺りを確かめ
タクシーに乗るまで一緒にいてくれレイコの部屋に2人で帰った

「とうとう店まで来ちゃったね.....どんな感じだった?」

「オーナーだけが相手してたから話の内容はわかんないけど
普通に話してた感じだったよ」

「お店にも迷惑かけちゃってるよね...休んでれば来ないかな」

落ち込みながらレイコと話してると携帯がメールを知らせる
その音に1人で驚き 嫌な気分をこみ上げながら開くと

≪お店にいなかったね?出勤したはずなのに
また誰かが俺とナナミを引き裂こうとしたんだね
寂しいだろナナミ...迎えに行くよ待ってて≫

「迎えにって.....」

閉めていたカーテンを少しだけ捲り隙間から外をみるレイコ
不審な車も工藤らしき姿もない

「いない...けど」

と、ほっとしたとき部屋のインターホン.....

チャイムが鳴った

「え...まさ....か」

怖くてインターホンに出れないでいると再び鳴るチャイム

「ちょっと見てくる」

「だめよレイコ...」

「覗き穴から見るだけ玄関のとこ電気消してるし...」

小声で話てると またチャイムが鳴る
そっと忍び足で玄関ドアまで行ったレイコが
覗き穴を覗きよろめき...静かに中に戻ってくると

「たぶん...工藤.....」と

小さな声で言うレイコの言葉に絶句した

静かに身を潜めてると一定の間隔で鳴るチャイムが部屋に響く...
THEME:恋愛小説 | GENRE:小説・文学 |

工藤からのメール

それからレイコと私はもう少し寝て
美容院へ行く前に家電量販店へ行った

「ナナミ..これこれ」

レイコが何種類かある防犯ブザーを指差し私を呼ぶ
念の為とレイコの分と2つ取り
店員にICレコーダーの場所に連れて行ってもらい
会計を済ませ
その足で美容院に行きお店に出勤してロッカールームで
誰もいないのを見計らいブザーとレコーダーの
使い方を確認した

「これを....」

「あああダメよナナミ音がでちゃうじゃない!」

「・・・・・ゴメン」

なんとか2つとも使い方を覚えバックにしまい仕事に入る
お店は盛況で寝不足の私達はすっかり酔っ払い
昨日のこともあるから今日はレイコん家に行こうと
タクシーに乗りレイコの部屋へ行った

「ふぅ~」

「やっぱ寝てないと堪えちゃうね」

「今日はもう寝よう」

寝不足で酔っぱらった私達はシャワーを浴び眠りに落ちた

朝目覚めると時計は10時をさしていて
ぐっすり寝たせいか頭がボーっとして冴えなかった

「おはよ...レイコ...」

「あぁ......う おはよ」

ボーっとしながらレイコがコーヒーを入れ

「今日は休みだし...どうしようか?」

「あ、、、休みか...
何か凄い早さで時間が経ってるような止まってるような...」

「なんかもう何もしたくない感じ~」

「あ、レイコ...部屋片づけなくていいの?」

「そうだね...」

「今日少しやっちゃおうよ 手伝うし」

何処も出掛ける気にもなれない私達は
レイコの引っ越しにむけて部屋を片付けることにした

入口にある大量のダンボールの紐を解き組み立て
レイコの指示で今使わないものから詰めて行く
それを繰り返してると

「ナナミー!携帯鳴ってるよ~」

「は~い」

バックから携帯を出すとメールが1通
差出人の名前は無くアドレス表示されており
件名にも何もない...

「うっ.....」

メールを見て固まってる私を見てレイコが横に来た

≪ずっと待ってたのに...また邪魔をされたんだね
あの女が邪魔をして部屋に戻らないよう言ったんだね
可哀そうに...大丈夫だよ俺はナナミを愛しているから≫

「アイツ....だよね...私が邪魔をしてる?ふざけんなよ...」

「ずっとメールなんてこなかったのに・・・」

「待ち伏せしてたのに帰ってこなかったからかな...」


もしかして!と思い2人隠れて窓を覗きこんだが
見える範囲のところに工藤の姿はなかった...



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弁護士事務所に訪れた工藤

朝日も上がり眠れなかった私達は部屋でコーヒーを飲み
少し寝なよとマサが帰りベットに横になった
どれくらい寝たんだろう...ベットサイドで携帯が着信を知らせる

「んん~っ...」手を伸ばし電話にでると

「北山です 橘ナナミさんでいらっしゃいますか?」

「はい!」

電話の相手に驚きボーっとしていた頭が回転をはじめる

「今...少しいいですか?」

「あ...はい大丈夫です」

「相手側...工藤に内容証明が届いて...」

そう話し始めた話の内容は
それを見た工藤が昨日弁護士事務所を訪れたと...
そしてその内容について ありえない
これは誰かが企み私を言い包めた事だと...
こちらが話をしても聞かずに自分の思いを述べ
仕事があると帰っていったそうだ...

「そうなんですか...実は・・・」

その昨日の夜に工藤が来た事
交番で話を聞いてもらった事を伝えると

「交番に行ったことは良いことです...
話を聞いたという事実があれば何とでもなります」

「はい」

その後弁護士は携帯のボイス機能でもいいが
ICレコーダーや防犯ベルを
持っていた方が良いと助言してくれた


「防犯グッズ..か あったほうがいいかもねナナミ...」

「うん...何処で売ってるんだろ?通販?」

「いや、家電量販店にあるよブザーとICレコーダー」

携帯の画面を見ながらレイコが答える

「そうなんだ」

「催涙スプレーとかは専門的なところじゃないと無いな~」

「ええっ...」

「ほら、シューって相手にするやつ」

「それはわかってるけど....」

「あぁぁ..でも下手すりゃ軽犯罪になるかも..だって」

「それは...いらないから・・・」

「でもアイツやばいから昨日みたいなこととか
もし捕まったときにシューってやれば逃げれるのに...」

とりあえず催涙スプレーはやめておき
防犯ブザーとICレコーダーを買うことにした...
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証拠を残すため

夢中で走った私とナナミはタクシーに飛び乗りBARへ行くと
マサが鍵を閉め帰るとこだった

「マサ!!!」レイコが叫ぶ

振り返るマサに更にレイコ大きな声で

「だめ!!!開けて!!!」

「なんだよ」

「いいから!!」

レイコのただならぬ気配に締めた鍵を開けドアをあける

「来たの!!アイツ!!!」

「おちつけ!」

座って一呼吸おいたレイコがさっきの出来事をマサに話す

「気が狂ってるな...」

「うん...普通じゃないよアレは...警察とか弁護士とか
何も通じないよアイツには・・・」

「アイツ...遠くから見守って待ってたって言ってた...
ずっと私を何処かで見てたんだ...」

「うん...
目の前に現れなかったから少し安心だったのに」


肩を落とす私達にマサが暖かいカフェオレを入れてくれた
甘くてほんのり苦いカフェオレが心を落ち着かせる

「私...交番へ行く」

「ナナミ...」

「アイツが来たって証拠は何もとれなかった
でも交番で今のこと話せば...とりあえず話せば...
何もしないよりかはいいかも...」

「そうだね」

3人でBARを出て再びタクシーに乗り最寄りの交番へ入る
誰もいない交番にはポツリと電話が置かれていた
かけてみると「すぐに行きますのでお待ちください」と言われ
10分ほどすると年輩の巡査が1人やってきた

「お待たせしました 何かありましたか?」

さっきの話をし その男がつきまとってること
警告を出してもらい内容証明を送っていることを説明した

「事情はわかりました、車のナンバーはわかりますか?」

「あ、、いえ.....」

話を聞いた巡査は自転車を押しながら私達を送ってくれ
マンション前につくと辺りを巡回してみますのでと言って
自転車に乗り去っていった

「なんかアテになんねーな」

「いいの...
交番に行ったってことが証拠になるかもしれないから」

正直わからない..本当に証拠になるかどうかなんて
でも行ったという事実は変わらない...

「そうね...何もしなきゃ...何もないもんね」

部屋に戻った私達はまだこれから来るであろう恐怖に
どうすれば良いのか...そんな話をしながら
夜の闇が暁の爽やかな薄明に変わっていく空を眺めた
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歪んだ愛~工藤side Ⅳ~

引きつりながらも強気に出るレイコ


「工藤...なにしにきたの?」

「悪いが...アンタに用はないんだ」

「は? ナナミも貴方に用はないわよ?」

「ナナミそろそろ自分の気持ちに気が付いてるだろ?
こんな女...周りに言い包められて言い出せないだけだろ?」

「なっ..何言ってるの?け..いさつからも..べん..ごしから..も..」

「ナナミの本当の意思じゃないだろう...わかってるよ」

「工藤...いい加減にしなよ あれは全部ナナミの意思よ」

「だまれ!!」

低い声と鋭く冷たい目に強気に出ていたレイコが怯む

「俺への愛に気づくのを遠くから見守って待ってるのを
オマエが邪魔をするからナナミが素直になれないんだ」

「だか..ら....私は....」

「工藤...けいさつ...よぶ..わよ...」

「だまれと言ってるだろ!!」

「ひぃっ...」

「な?ナナミ...もうわかったから...いいだろ?」

「なに..言ってんの...私は...貴方のことなんて...」

「2人きりじゃないと言えないか...そうだな...」


ジリジリと詰め寄る工藤の目は狂気に満ちた目をしてる...
恐怖で震えながら後ずさりするナナミとレイコ...

「ほら...おいで?」

「ひぃ...いや・・・」

差し出される手を見て咄嗟にレイコがナナミの手を掴み走り出す
その姿を冷たい眼差しで見ながら舌打ちをし2人を追う

道に出た2人が左へ曲がると
同じく道に出た工藤は車に乗り込み逃げる2人を横目に
ニヤリと笑いながら走り去っていった

「今日も素直に俺を愛してるとは言えなかったな...
いいよ...また会いにくるよ おやすみ...」



その目もまた狂気に満ちていた...
THEME:恋愛小説 | GENRE:小説・文学 |

歪んだ愛~工藤side Ⅲ~

弁護士事務所? なんだ...?

開封して読む手がわなわなと震える

「内容証明...だと? 法的処置だと?俺に...?
アイツが...いつも一緒にいる女が邪魔してるんだな...
俺等の愛を邪魔してるのは...」


読んでいたものをポンと机に放り投げると
皮張りの黒い大きな椅子の背もたれにもたれて
タバコに火を付け深呼吸する

「ナナミが素直になれないのはアイツのせいか...
もう少しでナナミが自分の気持ちに気付くのに...クソ」


「そろそろ時間だな」


誰も居なくなった暗いオフィスから出て
深夜の道を車で走り
ナナミのマンションを過ぎ街灯から離れた
少し暗い場所に車を止める

車のヘッドライトの明かりをバックミラーで確認すると
タクシーから降りるナナミが映る

「っち...今日も一緒か やっぱダメだな...」


車をUターンさせナナミのマンション前の道に止め
正面玄関へ歩いていく2人を追う


「ナナミ...」


工藤が優しい声で呼ぶと2人は振り向いた

「ひっ...」

強張る2人の顔は工藤の目には映らない...



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それだけ...

レイコと美容院で会い時間も早いから
これからゆっくり食事して
出勤しようと話していたとこなのでレイコも一緒に...
という私の嘘の返信メールを疑うこともなく

いつものように賑やかに楽しく食事をするものの
同伴は通常出勤より1時間遅れてもいいけど
日向さんは1人で 私との同伴になるので
レイコは通常の出勤時間にお店に行かなくてはならない

「日向さんご馳走様でした いつもおじゃま虫でごめんなさいね」

「あはははは かまわないよ」

「じゃ~ナナミ後でお店でね」

「うん あとでね」

お茶目に去っていくレイコを見送り
まだ時間のある私達はゆっくり飲みながら時間を過ごし
程良い時間に一緒にお店に入った

お店には結構お客様が入っていて
【Reserve】と置かれた席に日向さんが座る
1度ロッカールームに入り化粧直しをして
バックをロッカーに入れ日向さんの席に行くと
レイコが笑って話をしている

「おまたせしました」

日向さんの隣に浅く斜め加減に腰を下ろすと

私のお酒を作ってくれレイコが「はい」と手渡してくれる
そのグラスを持ち3人でグラスを合わせ乾杯し
おしゃべりが始まる...

食事をして...

お酒を飲んで...

お喋りして...


それだけ...当たり前だけど....それだけ.....

キスしたけど...
少し意地悪に笑う顔も優しい声も素敵だけど....

「ナーナーミーー?」

「ん? 」

「レイコちゃんナナミちゃんのマンションに越すんだってね」

「え? ええ..そうなんですよ」

「なんか友達ってより姉妹みたいだね」

「私がお姉さん ふふふ ナナミに変な虫がつかないよう
しっかり見張っておきますね ひゅ・う・が・さん?」

「頼もしいな ハハハハハ」


お酒を飲んで...

お喋りして...


今は


それだけ...

レイコの行動力

私が気を使っている事も
気を使ってながらも1人では不安なのも
レイコはお見通し...なのは私にもわかる...


「ナナミん家だったり私ん家だったりも面倒だし
ナナミ....凄く気を使ってるでしょ.....」

けど、、
引っ越してくれる事の方が気をつかうんだけど...
とは口に出して言うことは出来ず苦笑いしてると

「今のとこは あと2カ月で入居して2年がくるから
更新しなきゃなんないんだ
更新するなら別の所がいいなって思ってたし~」

「でも...」

「ナナミの為だけじゃないよ?彼氏も連れ込めないしさ~アハハ」


言いだし決めたら何を言っても無駄なレイコ...
それでも私の気がおさまらず
契約と引っ越しにかかる費用を半分出す
とこちらも強く言い いらないと言うレイコに
半ば喧嘩腰に出すと言い張ると渋々了承し
行動の早いレイコは次の日には不動産屋で契約を済ませた


内装も清掃も全て終わってる部屋はすぐにでも入居できる

「早い方がいいよねぇ 向こうの部屋の片づけと
引っ越し業者の都合もあるだろうから
次の...次の休みのときかなぁ~」

簡単に入居する日を決めるレイコに大丈夫かと尋ねるも
大丈夫,大丈夫と笑う


そう言えば...もう内容証明は届いただろうか・・・


電話とメールの拒否も解除したが工藤からは何もない
どう出てくるか...そればかりが気になる

できればこのまま何もないのが1番良いんだけど...


そんな事を考えてると携帯がメールを知らせドキっとしたが
メールの差出人は日向さんで同伴のお誘いだった
気を使うだろうレイコの事を考え レイコも一緒にと返信すると
楽しい食事になるね とOKをくれた

今日は何とか一緒でいけるけど
レイコが同伴や他のお客様との同伴や...いろいろ考えると
この先今日のようにいかなくなっていくだろう
同伴となると先にどちらかが部屋をでる事になり
お互い主のいない部屋で過ごすには気が引ける

やっぱりレイコが同じマンションに越してきてくれるのは
物凄く有難いことだとあらためて思った...

そして行動力のありすぎるレイコに心から感謝した
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レイコの驚き発言

次の日弁護士の北山さんから電話があり内容証明が作成できたので
内容確認の為同じものを私に送ろうと思うが時間があれば
来て確認してもらったらすぐに郵送できると言うので
レイコと事務所へ足を運んだ

内容は相談の時に言ってたように
私の意思表示とストーカー行為が続くようなら
法的処置をとるといった内容で
すぐに郵送してもらうようお願いをした

「では、この内容ですぐに送ります
早ければ明日の夕方か明後日には着くと思います」

「はい、宜しくお願いします」


そのまま出勤しようと支度をして出てきたので
美容院へ行き夕食をとって少し早い出勤をして
心配してくれていたマネージャーにも話し
珍しく早くに店に来ていたオーナーママにも話をしておいた


これからどうなるんだろう
工藤はどう出るだろう

不安と恐怖に襲われるたび
立ち向かうしかない...
大丈夫!と自分に言い聞かせた


そんな私を心配するレイコとのシェア生活はまだ続いている
私の部屋レイコの部屋と場所をかえながら...

次の日 お客様とランチだと言って出かけていたレイコが
いつもにも増して賑やかに帰ってきた

「ねぇ!ねぇ!!ねぇ!!!」

「なによ賑やかだわね」

「あのさ小耳に挟んだんだけどー」

「だから何?」

「ここのマンション空きあるって!!!」

「あぁ...そういえばそうね」

「え?知ってたの?」

「うん」

「早く言ってよ~」

「だから...どうしたのよ?」

「私ここに引っ越してくるよ!!」

「えええっ!」

突然のレイコの言葉に驚くも
レイコは嬉しそうに話を進める...

弁護士と相談の結果

奥の部屋に入ると弁護士は名刺を差し出した

「北山と申します ストーカー被害に遭われてるとかで?」

「あ、はい...橘ナナミです 宜しくお願いします」

名刺を受取り自分の名前を言って友人ですと紹介し椅子に座る

「友人が簡単に経緯を書いてくれたのですが...
それと...診断書と写真を持ってきたのですが...」

「拝見いたします」

静かにレイコの書いた経緯に目を通す

「大凡はわかりました 警告もしてもらっているようですが
今後どのような対応をお望みなのでしょうか」

「今すぐ訴えるとかは考えてなかったのですが
まだ何かされそうで怖くてどうして良いか...
警察は今は何もできないって言うし...」

「警告に従っていないので禁止命令という事もできますが
今後もさらにストーカー行為を繰り返すおそれがあると
認められる必要があります
これを更に違反したら罰則があるんですが...」

「はい、それは警察に伺いました
禁止命令が出て更に繰り返されるのを待ってでは...
耐えられるかどうか.....」」

警察で説明されたことを繰り返し話され
結局はどうするかというところになる...
話が全く通じないから和解はありえない
証拠を集め禁止命令後の処罰か
証拠から何かしら罪を問うか
今の状況で訴えるか...

「残念ですが何をしても何を言っても
今すぐストーカー行為が止まるといったことはありません
普通の考えではありえない思考をもってるのが
ストーカーですので
今の早い段階から手を打っていく必要があります
警告されているのであれば
好意も交際する意思も無い事と
今後法的処置も考えていると内容証明を出しましょう
後々警察も動きやすいでしょうから...」

何かをしなければ
ただの相談というか話を聞いてもらうだけになる
1つずつでも何かをしなければ...

「はい....」

それでも止まらないかもしれないから
証拠を集めるよう言われ

電話とメールの拒否は解除し
電話は出ずにどれだけ着信があったか
メールも返信せず内容を残すよう言われ

内容証明は弁護士が作成してくれ送ってくれるという事で
話は終わりその事をマサに報告をし仕事を終え1日が終わった...


【注意】
ストーカー規制法や警告等の事はネット検索にて書かれていた事で
話しの流れとして大凡こんな感じだろうと妄想して書いてますので
事実とは異なっているであろう事をご理解下さい

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弁護士事務所へ

電話の内容はマサの友達の知り合いという弁護士から
ストーカーに関する案件をいくつかやった事があるという
弁護士がいるから相談してみれば良いとの事だった

「~だそうだから
その知り合いの北山という弁護士の紹介だと言えば良いって...
場所と電話番号は.....」

「ありがとう、
友達とその北山さんて方にお礼にを言いたいんだけど...」

友達は別に良いけど北山さんには言っておこうということになり
念の為にと聞いていた北山さんの電話番号をマサに教えてもらい
お手数をおかけして..とお礼の電話を入れ
話を聞いてくれるという
弁護士の事務所へ行く日時を決めるための電話をいれた

「明後日だと時間あるって」

「そっか良かったねナナミ 少しでも早い方がいいもんね」

「うん.....」


そうとなれば...とレイコは相談する内容をまとめ出す

「どういう経緯なのかは話さなきゃいけないだろうし
店に来たのが最初で
同伴や接客してるうちに何か勘違いしたんだよね
あの車の出来ごとの前にもランチに行った帰り...」

「レイコ.....」

「ある程度書いておいて渡せば話す手間省けるでしょ?
質問とかは答えなきゃいけないけど
1から全部話すのはキツイじゃない?」

「うん...ありがとう」


普段は冗談やバカ言ってるレイコだけど
行動力があり頭の回転も早く頼りになる


そして約束の日の時間
レイコと一緒に弁護士事務所を訪れた

事務所に入り名前を言うとこちらで少しお待ちくださいと
若い男性がソファにかけるように手を差し出しお茶を持ってきた


少しすると奥の部屋から相談者であろう女性が出てきて
お礼を言いながら私達の横を通り更にお礼を言い帰っていくと
後ろから出てきていた男性が部屋のドアの前で

「お待たせしました こちらへどうぞ」と言うので

「すいません 友人も同席してかまいませんか?」

と1人では少し不安な私は尋ねた

「はい、かまいませんよ どうぞ」

レイコと目を見合わせ立ち上がり奥の部屋に入った...

今後の為に

警察に行ってみようと言うレイコと
私の話を聞いた警察の元へ行き
差出人のない花束が贈られ続け
最後に手紙が入っていたと話をすると

「工藤本人は現れてないわけですね」

「はい」

「花束も差出人の名前は無く
この手紙も差出人の名前も無く
内容から工藤であるだろうと.....」

「はい」

「確かに...
内容からしてそうだろうとは考えられますが
鑑定をしないと事実はわかりません
今の段階で自筆鑑定は出来ないのです」

「そうなんですか.....」

「警告を出しているのでストーカー行為が続き
今後貴方に何かしら影響を及ぼすとなれば
公安委員からの禁止命令を
出してもらえるようにできますが.....
これは提案ですが、今後の事を考え
1度法律の専門家にご相談をされてはいかがですか?」

「弁護士...ですか....」

今はまだ何も動くことは出来ない
もう少し様子を見て証拠になるような事や物は
引き続き集めておいて下さいと言う事と
できれば弁護士に相談する事を薦められた


その日は不安ながらも仕事をきちんとし
閉店後マサのBARへ話を聞いてもらいにいった

「なんだそれ ナナミに何かなきゃ動かないってことか?」

「そうとは言ってないけど...そういう事なのかな...」

「何か事件になってからじゃ遅いっつーの!」

「ナナミ...放っておくわけにはいかないだろ
話すのは勇気いるだろうが
弁護士に相談した方がいいんじゃねーか?」


確かにまた工藤が何かしてくる可能性は高い

「そうね...」

「誰か伝手はあるのか?」

「お客様くらいだけど...それは嫌だし...」

「私もないなぁ...どっか調べてみる?」

「俺の友達が1人知ってるけど...聞いてみようか?
ソイツじゃなくても紹介してもらえるかもしれないし」


最初は悩んだけどお願いする事にし
次の日すぐに連絡をとってくれたマサから電話があった

届く愛と情熱

花束が贈り続けられて3日目の夜

「さすがに少し気味悪くなってきたわ」

「だね.....」

「レイコ...これってもしかして・・・」

「なに?」

「嫌がらせ?」

「誰が?何の目的で??薔薇の花束だよ?
結構な値段もするし・・・・・・あっ.....まさか?」

「うん.....」

車からこっそり見られていたことも知らず
全く姿もを見せる事もなかった工藤の事など
考えてはいなかった...
ただ..忘れようと...心の奥に蓋をしていたのだ...



気味が悪くなった私は次の朝 部屋の花束を全てゴミに出し
花屋がOPENするであろう時間に
受け取りを拒否の電話をかけると

「え?あ、、すいません今配達に出たんですけど...」

「....そうですか わかりました じゃ次からは...」

花屋のせいではないし
仕方がないので次から拒否にしてもらい電話を切った

少しするとドアホンが鳴り薔薇の花束が届いた

「ふぅ...もう いいかげんにしてよね!」

ソファに花束をポンと投げつけると黒い封筒が落ちた

「ナナミ...これ・・・・」

「・・・何...」

恐る恐る封筒を開けると1枚の便箋が出てきた


【寂しさは癒えた?

ナナミの白い肌に映える真っ赤な薔薇は愛と情熱の証】


名前が無くとも送り主が誰であるかすぐにわかった

「ひぃぃぃぃ....」

「ちょ...何これ......アイツだよね...」

便箋を封筒に戻し破ろうとする私に

「ナナミ!ダメ!!証拠よ」

「え.....あっ....ああ....うん」


手が震え...身体が震え....
あの時のことが脳裏に蘇り 悲しみか...それとも怒り
何とも言えない感情が私を支配する

「なんで・・・・なんでなのよっ!!なんでわかんないのよ!!」

花束を力任せに叩き潰す私をレイコが制す

「ナナミ! ナナミ!! 落ち着いて....」


また怯えて過ごさなきゃならないの?
そんなの嫌だ.....
THEME:恋愛小説 | GENRE:小説・文学 |

差出人の無い花束

次の日お店に出勤すると入口で1人のボーイが

「おはようございます ナナミさんお花届いてますよ」

とニコリと笑った

お店を入ってすぐのFRONTと書かれた小さな部屋のカウンターに
真っ赤な薔薇の大きな花束が置かれていた

「うわ~凄いねナナミ」

花束のメッセージカードにはナナミ様へとだけ書いてある

「うん、でも誰からだろう?送り主が書いてない」

「サプライズじゃない?今日お店に来てくれるとか
それでお花気に入ってくれた?とか言われて~キャハハハ」

「あはは とりあえずロッカールームに置いておこう」


しかし...花束を贈った主はお店にくることは無かった

「誰なんだろう」

「仕事で来れなくなったとか?」

「かな? でもこの大きな花束持って歩くの恥ずかしいわ」

「お店に飾ってもらえば?」

「そうね...部屋に持って帰っても置き場所に困るし...」


まだ雑務をしているマネージャーに話し
花束は店に飾って貰う事になり帰った



そして更に次の日の午前11時...ドアホンが鳴る...

「はい?」

モニターを見ると正面玄関で花束を抱えた作業着の男が立ってる

「花をお届けに参りました」

「あ...はい」

オートロックを開けると花屋の若い男が今度は部屋のドアホンを鳴らす
もう1度モニターを確認し部屋のドアを開けると
昨日同様 大きな薔薇の花束を手渡され受領書にサインを求められた

こちらも昨日同様メッセージカードにはナナミ様へとだけ書かれてる

「あのう...送り主は?」

「あぁ..渡せばわかるからと仰って.....」

「どんな人でした?」

「黒っぽいスーツのサラリーマン風な男性でしたよ」

「そうですか....ありがとうございます」


サラリーマン風.....お店のお客さまには間違いないだろうけど
分かり辛い答えだな

花束を抱えてリビングに戻るとレイコにやけながら

「ほほぅ またですか モテるねぇナナミ」

「差出人が無いから聞いてみたんだけど
サラリーマン風の男だって...」

「それじゃわかんないよね
お店のお客様はほとんどサラリーマン風だし~」

「でも、、、ここ知ってる人は限られてるわ」

「そっか......日向さんとか?」

「日向さん...差出人の名前知らせず送るかしら...」

「うーん...」


結局考えてもわからないから花束は花瓶に入れてリビングに飾った



差出人の無い花束は


次の日も、その次の日も店と部屋に送られてきた
THEME:恋愛小説 | GENRE:小説・文学 |

歪んだ愛~工藤sideⅡ~

紙切れには警告書と書かれており
勘違いだと言いきる工藤に

「いや、警告の申し出が出て 警告申出書も提出された
よって今後貴方は彼女につきまとったり待ち伏せしたり等の
ストーカー行為をしてはいけません わかりましたか?」

「・・・・・何かの間違いだろう」

「いえ、間違いではありません これ以上酷くなると罪に問われるぞ
ちゃんと受け入れて今後こういった事はやめなさい
わかったら警告書を受け取ってこっちにサインして」

と受領確認書が出された

「・・・・・・」

「貴方が警告書の受け取りを拒否しても
警告書が確認できる状況になっていたとみなされる時点から
内容を読むにしろ読まないにしろ警告の内容は効力を発揮しますよ」

それに対し
何も言わずに警告申出書を受け取り
念を押すようにストーカー行為となる定義を話され
解放となり外に出た工藤は...

「なんでナナミはこんなものを...俺を困らせようとしてか?
そもそも素直に愛を受け入れ自分の愛を認めれば....
まっ、少しすれば自分の間違いと俺を想う愛に気がつくだろう
それまで待ってるよ俺は.....」

心でそんな事を呟いた

全くわかっていない工藤・・・
それでも違った意味で少しの間ナナミの前には現れなかった




そろそろ淋しくなって俺が恋しくなった頃だろう
今日辺りちょっと顔を見に行ってやるか...


仕事が終わるであろう時間から少し経ったくらい
工藤は少し離れた場所に車を止めナナミを待った


「あ、あのタクシーだな また飲んでたんだろう
まぁ良い....ん?あの女.....もう1人いるな
送ってもらったのか あんな事して俺に会い辛いからか...
それとも...言い包められてるのか・・・」


1人自分勝手な事をブツブツと不気味に言い
マンションに入っていくナナミを見送った工藤...

「寂しいだろうが待ってろな ナナミ」

そう呟いて車を出した


【注意】
ストーカー規制法や警告等の事はネット検索にて書かれていた事で
話しの流れとして大凡こんな感じだろうと妄想して書いてますので
事実とは異なっているであろう事をご理解下さい

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歪んだ愛~工藤side~

時は遡り あの日...
あの車での出来事で警察に事情を聞かれている工藤

「彼女は私の恋人です 疾しいことはありません」

「それにしても服を破きケガをさせると言うことは...」

「そういったプレイですよ」

「・・・・・そういう風ではなかったし
そもそも助けてという悲鳴があったと通報を受けたんだ
それに友人達の様子や話からしても恋人同士ではないようだが」

「ナナミは恥ずかしがりやだから友人だろうが
他人には私との事を言えずにいるんですよ」

「では、悲鳴はどう説明するんだ」

「プレイをよりリアルにする演出?」

本当にコイツらは何を言ってんだ俺とナナミの愛がわからないのか
でも ナナミもあんなにテレずに素直になっていれば...

「とにかく本人からも事情を聞いてみない事には.....
怪我もしていたようだし服もな...あんなだったからな
また後で来てもらう事になるから」


クソなんで俺が昼までこんなとこにいなきゃなんないんだ
アイツら俺らの愛が羨ましいんじゃねぇか
まぁいい 最後は俺らの愛だって事がわかるだろうから


そして
その次の日の昼過ぎ再び俺は呼び出され また同じ事を聞かれる

「昨日言った通りですよ 」

コイツらバカじゃねぇの 俺らの愛の邪魔すんなよ....
もう夕方だし..仕事もできねぇじゃないか

「あまりにもアレだったら弁護士呼びますけど?」

「あ、ちょっと待て」

1人の男が呼びにきてそいつは一旦部屋を出た
暫くして戻ってくると静かに前に座り

「残念だが...相手は恋人ではなく好意も持ってないそうだ
お店の客で勘違いをしているようで度々待ち伏せされたと」

「はぁ?何言ってんだ?だからナナミはテレてんだよ」

「それが勘違い...思い過ごしなんだよ」

「わかんねーヤツらだなぁ....」

「勘違いも思い過ごしもいいが度が過ぎた行為は犯罪だぞ」」

「勘違いじゃないよ」

そう言いきる工藤に男は1枚の紙切れを前に置いた...


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1日が終わっていくその闇で

レイコの強い要望で焼き肉屋さんに入った
その店の看板メニュー
口の中でとろける和牛ステーキを頼み
ワインと一緒に頂いき
アルコールの入ったレイコは更にハイテンションになり
日向さんに突っ込まれ私を笑わせた

食事も終わり外に出ると

「それじゃ送るよ レイコちゃんは何処?」

「あ..えっと あれ私またおじゃま虫じゃん」

「気のせいだよ レイコちゃん」

「じゃぁ~ナナミん家にお願いします~」

「え?レイコちゃんも?」

「はい 私...訳ありで今日ナナミん家泊めてもらうんです」

「そうなんだ、さては彼氏とケンカしたな」

「ひ・み・つ」

レイコの冗談のようなその場の嘘を疑うことなく
3人でタクシーに乗り私の家へ向かう

「あっ...日向さん?」

「なにレイコちゃん?」

「私のことは気にせず
ナナミを何処か連れていっていいですよ」

「ははははは レイコちゃんのお許しが出た
じゃお言葉に甘えて ね?ナナミちゃん?」

「えっ??ええ?? いや、、、」

「ぷぷぷぷぷ 冗談だってば からかい甲斐あるね~」

「もう.....」

そうこうしてるとタクシーはマンション前の道に止まり
レイコと私はお礼とおやすみを言い車を見送った

「んも~レイコ何言ってんのよ日向さんに~」

「ええ、いいじゃん その気はあるでしょナナミ」

「なっ...そんなこと....」

「いいって、いいって フフフ」

「でも、ありがとう 何か上手く言ってくれて」

「気にしない 気にしない」



本当に工藤との事を考える暇も不安に思う間もなく
楽しく過ごした1日が終わろうとしている




この様子を少し離れた場所から工藤が見ている事も知らずに...



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思いもよらぬ来店

出勤当日の午後にお客様から3人なので都合が合えば
レイコも一緒にという同伴のお誘いメールがあり
喜んでぇ~と言うレイコと共にお客様の待つお店へ
約束した時間に到着した

先に着いているお客様の元へ店員が案内してくれ

「お待たせしました 今日はありがとうございます」

と2人挨拶をして個室に入る

明るく迎えてくれたお客様と元気ナレイコで
初っ端から場は盛り上がり
ちゃんと接客できるだろうかという不安は
すっかり忘れてしまっていた

お店でも そのお客様をはじめ他のお客様も
明るく楽しく時には身体を気遣ってくれながら
今までと同じような時間を過す...

復帰のお祝いと花束を持ってきてくれるお客様
まだあまり飲んじゃダメだと
ソフトドリンクを頼んでくれるお客様
美味しいケーキを持ってきてくれるお客様


そして盛り上がりも少し収まりお客様も減った10時過ぎ
思いもよらぬ来店があった...

席に案内される日向さん...その手には可愛らしい花束を持っている

「いらっしゃいませ いらしてくれたんですね」と笑いかけると

「驚かそうと思ってね  はいコレ」と少しテレながら花束をくれた

「わぁ~可愛い ありがとうございます」

あらためて心配してくれ気を使わせてしまった事をお詫びすると
良くなったのならそれで良い気にする事はないと
シャンパンを頼み乾杯をすると

「フフフ...でも、病み上がりだからナナミちゃんは1杯だけね」

「えええ そしたら日向さんが飲み過ぎになるからダメよ?」

「大丈夫 きっとレイコちゃんが来て飲んでくれるから」

そんな話を笑ってしているとお客様を見送ったレイコが席に来て

「日向さん私を呼んだ?」と笑いながら座る

「あ、聞こえた? 」

「聞こえましたよ?
日向さんというよりシャンパンが私を呼んでいる声が....」

「ぷぷ ほらね レイコちゃん沢山召し上がれ」

「なんですかその”ほらね”って 2人して何か言ってたでしょ~」

「なんでもないよ
それより終わったら3人で美味しいもの食べよう」

「やったぁ~! あ..でも私おじゃま虫じゃない?」

「そんな事ないよ」


それからあっという間に閉店時間になり
3人でお店を後にした


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復帰に向けて

マネージャーに出勤する旨を伝え
店休明けの月曜からお店に出ることにした

ここ最近よく来てくれていた指名客には
休む時同様 出勤することをメールで伝え
日曜にはレイコと一緒にエステに行った

エステが終わりBARへ顔を出す

「開店まだですか~~~」

まだOPEN前のBARにレイコの声が響く

「おう、レイコまだ準備中だ!!」

「いいよいいよ気にしないで?」

「頼むから気にしてくれ...」

「ナナミが明日から出勤だからさ
綺麗になっておこうって事でエステ行ってきたんだよ~
でさ~カフェとかでお茶もアレじゃない?」

「 美味しい日本茶があるぞ 入れてやろうか?」

賑やかしいやり取りをしながらカウンターに腰を下ろすと
よく冷えたグラスに細かい泡の立つビールが注がれ
3人で乾杯をする

「ふぅ~美味しい」

「ところでナナミ?お客様にはメール入れたんでしょ」

「うん、ここ最近来てくれてる人だけだけどね」

「日向さんにも?」

「うん メールしたよ?」

「で?」

「良かったねって」

そう休む時...
あの日...日向さんとの同伴の時から様子が変だった
あの時体調が良くなかったのに
無理をしたのではないかと言っていた日向さんに
そんな事はない自己管理ができなかったせいだと
謝る私に早く元気になって食事に行こうと.....

そして出勤することを伝えると
良くなって良かった回帰のお祝いに
美味しいものでも食べよう
でも無理はしないで...と一言添えられて・・・

「それだけぇ~?」

「その一言だけじゃないけどさ~
あの日...日向さんと同伴のあった...
あの後からだから...気を使わせちゃってね」

「あぁ...そっか・・・
ああああダメダメ!!明日の出勤のために明るく元気に!!」



そう明るく元気に復帰しなきゃ...
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シェア生活の中で

私とレイコのシェア生活は1週間を過ぎた
途中2回レイコの部屋に泊まったり
日中は買い物やランチにと2人で外出したりと
普通に近い生活を送っていた

夜1人の時は時々あの車の中での事を思い出し
不安と恐怖に苛まれたりもしたが
この1週間工藤の気配も無く
不安と恐怖も最初ほどのものではなくなってきていた

そして今まで夜は外出しなかった私に
お店に休みを貰ったレイコがBARが開店する早い時間に
久しぶりに行ってみようかと嬉しい誘いをくれた

「わぁ~なんか凄く久しぶりに来た気がする」

「そろそろ夜の街が恋しくなってきたみたいだしね」

「だねぇ~怪我も治ったしね そろそろ仕事も行こうかな」

「ん~ 大丈夫かなぁ ナナミが休んでる間
アイツはお店には来てないし 今日まで気配はないけど...」

「でも...ずっと仕事もしないで
おまけにレイコに泊まってもらうのも...ね」

私はいつまでアイツに怯えてなければいけないんだろう
いつまで皆に迷惑をかけてなければいけないんだろう
そんな事を考え少し暗い面持ちで俯くと...

「私は別に良いよ ナナミとのシェア生活
楽しいいしさ~何なら新しく広い部屋借りて
本格的にシェア生活しちゃう?」

「え~レイコ彼氏連れ込めないよ?私も彼氏出来たら困るし~ アハハハハ」

「呑気なヤツらだな...まぁ少しは元気になったって事か」

「うん、まぁね...」

明るく振舞ってくれる2人に心が軽くなる
何もなかった頃のように早く戻れれば...

「ところで....ナナミ お前どうするか....決めたのか...」

少し言い辛そうに聞くマサ

「ん~ まだ悩んでる けど...やっぱ今すぐは訴えない」

私のその思いは変わる事はなかった

「裁判とかになったら
ずっとあの日の事思い出して考えなきゃならないでしょ
何日...何ヶ月...裁判が終わるまでずっと・・・
悔しいけど腹が立つけど...そんな勇気もないし気力も持たない」

「そうか...だよな ・・・」

「ナナミ...とりあえずもう少し様子見ようよ私はほんと良いからさ...」

「うん、ありがとう」


そうしてシェア生活は続くことになり
お店は店休明けから出勤してみようという事で
久しぶりの夜の外出は高校生の門限並みの時間に終わった

事情聴取を終えて

部屋に戻った私はマネージャーに電話をかけた

「おはようございますナナミです
ご迷惑をかけて申し訳ありません...今警察から戻りました」

「いや、ケガはどうなんだ?大丈夫か?」

「はい..」

お店の客ということもあり警察も絡んでるので
きちんと話をしておこうと思い
明日 早い時間にマネージャーと話をすることにした

「じゃナナミ 明日行くからその時に」

「わかりました...失礼します」


マネージャーの電話が終わり少しすると
支度を終えたレイコが何度も
1人外に出ないで 何かあったら電話してと言って出勤した


何をするでもなく 時間が過ぎるのを待つ

「ナナミただいま~ 夜食買ってきたよ」

「ありがとう」

食事をしながら今後どうするかを悩む
工藤が普通に暮らしているかと思うと
腹立たしい...それ以上に不安で怖い

「訴えるとなると弁護士とかもお願いしなきゃだし
また あの話を弁護士にしなきゃならないよね
それに裁判になったら...そこでもまた・・・」

「これで止めてくれれば訴えないの?」

「....それもわからない
どうしていいか自分でもわからないのよね...」

「今はまだ無理かもね 昨日の今日だしさ...」

「うん...」 



その後は お店の様子を話してくれて
また2人一緒にベットで眠りについた...



そして次の日の午後マネージャーが部屋に来た


昨日以外にも待ち伏せ行為をされてた事
私が好意を持ってると思いこんでる事
少し異常だと思う事
車の中での出来事
警察での話

それらをマネージャーに話した

「...なんて男なんだ・・・店にはもう出入り禁止だな
とりあえず暫く休みなさい 店の事は気にしなくていい
オーナーにも事情は説明しておくから」

「はい 」

「ナナミの客には体調を崩して暫く休むと言っておくが
親しい客は自分で言っといた方が後々良いかもな」

「そうですね・・・」

「気持ちが落ち着くまでは頭も身体も休めて
工藤に関してどうするかは焦らず考えろ 」

「はい 」

話を終えるとすぐにマネージャーは帰っていき



レイコとのシェア生活が始まった

事情聴取~Ⅱ

警察に質問された事に答えそれを細かく話する

工藤との関係やこれまでの事
その日1日の行動
そして車の中で起きた事

「わかりました、では今後ですが告訴しますか?

ストーカー規制法では警察が警告して
警告に従わない場合は公安委員会が禁止命令行うことができ
禁止命令に違反した場合
1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されます

暴行罪や強制わいせつ罪は刑法により併合罪が成立するので
警告や禁止命令の後の法的措置を検討するか

このまま強制わいせつと暴行で告訴するか...

今は通報から現場の状況を見ての事情聴取ですので
告訴の申し出や警告の申し出等がなければ何もできません」

「通報?」

「ええ、車の中から女性の悲鳴がしたと...」

「あぁ...誰か聞いて知らせてくれたんだ...」

「はい」

「あっ、、あのう...今すぐ告訴とかは・・・まだ...」

「では、先に警告の申し出をしておきますか?」

「あ...はい・・・」

「警告は...
警告申出書を提出していただいて警告を行いますが
拘束することはできません
警告で100%ストーカー行為が止まるとは限りませんし
告訴の事も考え今後ストーカー行為があれば処罰の対象として
その証拠は集めれるなら集めておいて下さい」

「・・・・・・はい...」


工藤は解放されるんだ...怖いな


長時間の事情聴取が終わり
先に終わったレイコ達が待つ部屋に案内してもらって
一緒に警察署を出た

「お腹減ったね...何処かで何か食べよう」

レイコの提案で3人で食事をし事情聴取での話をした

「じゃ~結局まだ捕まらないんだね」

「うん...刑事事件として訴えれば
調べて拘束してくれるみたいに言ってたけど...
今すぐって言ってもね・・・」

「で、レイコ ナナミどうすんだ?1人にできないだろ」

「私は大丈夫....」

「なわけないだろ」

「あぁ...
私がナナミの所で暫く一緒に居ようと思うんだけど
仕事行ってる間1人なっちゃうよね...」

「レイコ...ほんと大丈夫だよ?」

「だめ! 」

「時間が空いたら俺も電話したりはできるけど...」

「1人で出ないし
何かあったらすぐに警察と2人に電話するから...」

「ん~ そうだね
あっそうだマネージャーに連絡してね
簡単な経緯は話しておいたけど...心配してたから...」

「うん」

「じゃ俺は行くわ レイコ...頼むな」

「うん」



レイコの部屋に寄り洋服と必要なものを持って
一緒に私の部屋に帰った...

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事情聴取 ~Ⅰ

大丈夫だからと言う私に今日は一緒にいると言う
レイコと自宅に戻った

「ほんとうに...ごめん凄く迷惑かけちゃったね」

「何言ってんの あぁナナミこれ」

「あ..バック・・・それに服も...ありがとう」

「留め具が閉まってたから中身ななくなってないと思うけど...」

中を見ると無くなっているものはなく再度お礼を言い
心配してるであろうレイコに
レイコに送ってもらった後の経緯を話した

「ほんと...頭おかしいよねアイツ
このまま捕まって刑務所にいけばいいのに...」

そう思う...反面

警察で事細かに車の中での事情を話すのは勇気がいる
ましてや裁判になって
公の場で話さなくてはならなくなったら....
実際はどうだかはわからないが
レイ*プなんかで訴えるとするなら
行為やいろんな事を
事細かに話さなければならないと何処かで聞いたことがある

そんな事に耐えれるだろうか....

耐えたとして刑務所にいれられるのはどのくらいだろうか
出てきた時 根に持った工藤が復讐を考えないだろうか


そんな話をして暗くなっていく私に

「今日はもう、やめようこの話
明日警察に行って話してから考えよう」

確かに今どうなるかわからない話に気を病んでも
どうにもならない...

「ね?ナナミ??
あっ!お腹減ってない?何か勝ってこようか?」

「そうだね...一緒にコンビニ行こう」


気を使って少しでも話題を変えて話すレイコと
まだレイコと出会って間も無い頃の話や
レイコの惚気話をしながら食事をして

また明日疲れるだろうから早く寝ようと
私のベットで2人一緒に眠りについた

何度も目覚める私に気付きながらも話すことなく
静かな夜は過ぎていき朝を迎えた

レイコとコーヒーを飲み
マサに連絡を取って予めレイコ達が聞いていた
11時に間に合うよう家を出る

警察署の前に居たマサと合流して中に入り
名前を言うと少しして病院に来ていた男性が現れた

「お身体は大丈夫ですか?」

「あ、、はい」

「お話は3人別々に聞くことになりますが...」

「はい わかりました」

「では こちらへ」

そして3人別々の部屋へ通され
私は病院にきた男性と話をすることになった

「言い辛いことを聞くかもしれませんが...
どうしてもダメだと思う事は無理に話さなくて結構です」

「はい、、、あ、、あのう、、、これは?」

服や診断書、写真の入った袋を警察に見せ尋ねる

「あぁ、話しながら見せてもらいます
その後お預かりすることになりますが...」

「はい わかりました」

では、質問しながら経緯をお伺いします


悪い事をしたわけじゃないから取り調べではなく
事情聴取なんだけど緊張と不安で声が震える.....


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証拠写真

午後になると外傷等からは
精密にするほどでもないだろうと
レントゲンとCTだけを撮り
映像が上がったら説明すると言われたので
一旦病室に戻った

病室の前には1人の男性が立っており
レイコとマサが何か話をしている
私を見た男性は警察ですと名乗り

「工藤からの事情は聞いていますが
友達の話との聞い違いも多いので
友人とナナミさんの詳しい話が聞きたいのですが...
その際に破かれた衣類と診断書をお持ち下さい
暴行があった証拠として写真を撮ります
ケガも女性警官が撮りますが大丈夫ですか?
もし...不都合なら病院もしくは
個人で撮って持ってきて下さい
今のところは何もないので
一応任意という事になっていますので...」

確かに...掴まれた腕に痕があるのと数か所の痣...

「暫くしたら検査の説明があるそうです」

「では具合が良いようなら
明日にでも来られそうですか?」

「わかりました」

警察が帰り暫くして看護師が

「先生からの説明があります」と病室に入ってきた

診察室ではなく小さな部屋に入ると医師が座っていて
早速ですがとパソコンに映る映像を見せながら説明し始めた
身体は骨には異常なく
頭も骨も異常は無く出血してる様子もないから大丈夫だと...

「~なので、外傷についての診断書が出ますので
お帰りの際会計でお受け取り下さい
後、人的外傷なので今後の為に
写真が必要になると思うのですが...どうされますか?
こちらで撮ることもできますが...」

話しぶりからすると病院側にも警察が話をしている様子だった

「お願いします」

「では すぐに看護師に撮らせましょう
特に問題はありませんでしたが何か身体に異変があれば
すぐに受診するようにして下さい では私はこれで」

内線で看護師を呼ぶと医師は部屋から出て行った
すぐに年配の看護師がポラロイドカメラを持って部屋に来た
腕と足ですね この擦り傷は?治りかけてるけど...」

「これは前に・・・以前にもいろいろあって・・・」

「つまり今回の人的外傷と関係性はあるってことね」

「はい・・・」

腕、足、、と順番に写真を撮っていき

「じゃぁ診断書と一緒に入れておきますからね」

写真が撮り終わった私はレイコ達の待つ病室に戻り
帰る手続きをするために看護師を呼んだ

「マネージャーには連絡入れておいたから」

「ありがとう...」

診断書と写真を受け取り会計を済ませ
病院のタクシー乗り場に向かう

「じゃレイコ後頼むわ...」

「わかった」

「ありがとうマサ」

「おう、明日な」

「うん」

そして

今日は私に付き添いたいと
お店を休んでくれたレイコと自宅に戻った
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ナナミを送ってから~レイコside Ⅱ~

前に行きフロントガラスから中を覗くマサ

「だれか...いる・・・・男?」

中では最後の抵抗も虚しく
工藤に抱きしめられたナナミが項垂れているも
ハッキリと中が見えない

「男.....」嫌な予感がしたレイコはドアに手をかけると
カシャっと音がし そのまま一気に開けた...

「ナナミ!!」

マサが駆け寄ると項垂れたナナミが工藤に抱きしめられていた
その姿は無残で何があったのかを物語っている

「テメー何やってんだ!」

声を張り上げるマサ


そしてパトカーがワゴン車の後ろにつく....
近寄る警官がレイコに声をかける

「通報された方ですか?」

「え??いえ...違いますけど・・・」

「不審な車から悲鳴が聞こえたと通報があったんですが...」

「あ..ああ..ここ!!この中!!!ナナミが!!!」

慌てたレイコが警察に向かって叫ぶ
中を覗いた警察が様子を見て

「何してる?」

その問いに工藤は「愛を確かめあってるんですよ」
と不気味に笑った

「なっ...何言ってんのアンタ!!ナナミに何したの!」

興奮するレイコの後ろでもう1人の警官にマサが
恋人同士ではなく店の客でつきまとわれていたことを
簡単に説明すると警察は

「とりあえず降りてきて下さい」と工藤に言った

ぐったりと意識を無くしているナナミに気付いたレイコが

「救急車!!!早く!!!」と叫ぶ

観念したのか開き直ったのかわからないが
ナナミを離した工藤が車から降りた

1人の警官が工藤をパトカーに乗せる
間もなく到着した救急車にナナミが乗せられると

「とりあえず2人は付き添ってあげて下さい
男は事情を聞くので連れていきます」

そう言ってレイコとマサの携帯番号を聞き警官はパトカーに乗った



「警察に捕まったんだアイツ...」

「うん..捕まったっていうか事情を聞くって連れていかれた」

「ナナミ辛いかもしれないけどオマエも事情聞かれるぞ」

「そっか...そうだよね.....」

レイコ達と話していると若い看護師が病室に入ってきて
検温しながら痛みはないか、気分は悪くないかなどを聞いて

「それじゃ もう少ししたら先生が来ますので」

と病室を出て行った

暫くすると医師がやってきて人的に与えられた傷は軽いが
念のため午後から検査をして診断書を出すと説明された
その際...婦人科の受診はどうするか聞かれたので
それはいい...と断った

医師が病室を出て行くと言い難そうにレイコが

「ナナミ...ちゃんと診てもらったほうが良いんじゃない?」

「大丈夫 最後まではされてないから」

「ほんとうに?」

「うん 」

「よかった・・・」

その答えにレイコは少しだけ安心したのか
ほっとした顔で微笑んだ
THEME:恋愛小説 | GENRE:小説・文学 |

ナナミを送ってから~レイコside~

頭が痛い...腕も....足も.....身体も.....
あれ?私は何をしてたんだっけ?

「ナナミ?」

レイコの声...ここは......

「気が付いた?」

「ん?」

「大丈夫か?」

「マサ?」

そう言えばレイコとマサの声がして....
そうだ私...工藤に・・・

「レイコ...」

「なに?」

「アイツは?」

「警察が連れて行ったよ」

「そう.....」


【ナナミを送ってから~レイコside~】

ナナミを送ったレイコは少し気になり
家についてナナミに電話をかけた...

「あれ..出ないな寝ちゃった?
いやそんなわけないよなぁ・・・」

気になるレイコは何度かナナミの電話を鳴らす

「おかしいな...寝ててもこれだけ電話したら・・・」


もしかして・・・


マサに電話をかけ事情を話す

「何度かけても出ないのよ」

「寝たんじゃねーの?」

「うん...でも 気になる・・・
工藤につけまわされてるし・・・」

「そうだな...行ってみるか.....」

「私も...」


閉店後の片づけを放ってBARを出たマサは
タクシーに乗り「急いで」と伝えナナミの家に向かう
同じくしてレイコもタクシーに乗りナナミの家へ...

先に着いたレイコがマンションの正面玄関から
ナナミの部屋番号を押しインターホンを鳴らすが
返答が無い...何度鳴らしても....

「おい、、居たか?」

「いない・・・」

もう1度レイコがナナミに電話をかける

「でない.....どうしよう・・・」

辺りをキョロキョロするレイコの目にワゴン車が写った

「あの車....」

「なんだ?」

「送ってきた時も停まってた...」

「乗ってる気配なかったよな」

「うん.....」

車に近づいていく2人

「いや、、、後ろに誰か乗ってる」

黒いフィルムを張られた後部座席の中は見えないが
近づくと気配を感じる

「前からだと見えるかもしれない.....」

最後の抵抗

強引に押さえつけられていた腕が...
身体が...痺れる...力が出ない...

もうダメだ...

身体から力が抜けていき抵抗をやめた

「やっと俺の愛が通じたみたいだね」

コイツ本当に頭がおかしいんだ
こんなヤツにやられるなんて...

身体を弄る手...首筋と胸元を這う唇

抵抗しない私に受け入れたと思い大丈夫だと思ったのか
馬乗りになっていた工藤が力を緩め少し体制を変えた
下半身を横にずらし片足で太ももを弄り片手で撫でながら
徐々に手を私の下半身へ向ける...

気持ち悪い...やっぱり嫌だ...絶対嫌だ....

「 ぅっ....ぃ...ぃや....い...やぁああああああ!!!」

渾身の力で工藤を突き飛ばす

ドン

体制を崩した工藤が車内の横ボディにぶつかる
すかさず這いずり体制を変え足をバタつかせ工藤を蹴る

「っつ....なにす......ぅっ.....」

暴れるように蹴った足が見事工藤の股間に命中した

今だ...


必死に車のドアに手をかけ開けた瞬間また腕を掴まれ引っ張られ
手が離れたワゴン車のドアはゆっくりと閉まっていく...

「いやぁああああ だれかーーーーたすけてーーーー」


暴れるように手を振ると股間を蹴った痛さのせいか
工藤の力は弱まっていてあっさりと手が離れ
もう一度工藤を突き飛ばし這いずってドアに手をかける

開けなくちゃ...早く...早く.....



グイッ......引っ張られた身体が工藤の両腕に収まる

「なんで...なんで? もう...嫌だ....」

絞るような声で呟く

「ナナミ...お前は俺だけのものだ...俺もお前だけの...」

工藤の両腕に力がこもり強く抱きしめられる


ほんとうに...ほんとうに.....もうダメだ....

そう思った時
カシャッと車のドアが開いた

「 ナナミ!!!」

それはレイコの声だった...

「 テメー何やってんだ!!」

後ろからマサの声もする...


「レイコ....マサ.....」


あれ、、、まだ誰かいる?......





そこで私の意識は途切れた・・・

無理矢理に...

がっちりと掴まれた腕は痺れるほど痛く私を引きずっていく

「痛いっ!離して!」

声を上げても深夜の静かな街に響くだけで
タクシーを降りた道に車が通る事もなく
停めてあったワゴン車の横で工藤は止まった

あ...この車

そうレイコに送ってもらった時から停まっていた車
工藤の車じゃない事に何も警戒していなかった...

ガシャっと開けられた後部座席のドアから見えるのは
フラットにされ これから起こる事を物語っていた

ドアに手をつき突っ張りがら抵抗するも
工藤の力は増し押し込められ閉まるドアに恐怖を感じた


「いい加減にしてよ!!」精一杯声を上げても工藤には届かない

「大丈夫 俺の愛が伝わればナナミも素直になるよ」

「なっ.....何言ってんのよ.... 」

じわりと詰め寄る工藤に言葉が詰まる
その瞬間覆いかぶさる工藤

「ちょっとーーーやめてっ!」

飄々とした顔で押さえつけ馬乗りになり顔を近づける

「いやぁああああ やめて!離して!!」

顔を振り足をバタつかせ叫んでも工藤の力は緩まない

デコルテを強調させた襟ぐりの大きなワンピースが
力任せにすり下ろされる

「いやぁあああああああ!!!!」

引っ掻いても叩いても工藤は止まらない

ビリッ....

春物の薄手の生地のワンピースが無惨に破け下着が露わになる

「じっとしろ...すぐに愛で満たしてやるから」

「いらない!そんな愛いらない!!アンタの愛なんかいらない!!」

押さえつけられた顔に工藤の顔が近づく
重なった唇がこじ開けられ舌が入ってくる

気持ち悪い....吐きそう・・・

「んぐっ...ぅえっ.....」

やめろ...やめろ...やめろーーーーー

ガッ....舌をとらえ噛みついた

「うっ....」工藤が唇を話した

「はぁっ....はぁ...はぁ...」

口を拭う手が私の手を押さえつけ重なっていた唇が
デコルテをなぞり舌先が這う


力を込めて暴れて抵抗しても全く敵わない


ダメだ...ヤラれる・・・

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豹変した男

その日 工藤はお店にくる事も無く閉店し
レイコに送ってもらい真っ直ぐ家に帰った

「じゃ、何かあったら電話するんだよ」

「うん、ごめんね ありがとう」

消沈する私を心配しながら帰っていくレイコ

部屋に戻った私は無気力なままビールを煽る
工藤が早く諦めてくれる事を祈りながら...


次の日のお昼過ぎ何も知らない日向さんからメールが届いた

≪やっと仕事がひと段落しました
今日都合が合えば食事いかがですか?≫

久しぶりの同伴のお誘いに上手く笑えるか不安が過り
返信できずにいた

放っておくわけにいかないよね...返事しなきゃ...
それに日向さんは何も知らないし関係もない
ちゃんと仕事しなきゃ...そう思いOKの返事をした


待ち合わせのカフェに少し早く着き
まだ来ていない日向さんをコーヒーを飲みながら待ってると
心配しているレイコからメールがきたので
日向さんとの同伴を知らせるメールを打っていると
席の横に誰かが立った...

ん?と思い顔を上げた瞬間 身体が震えた

工藤・・・

目が合った工藤は何も言わず離れた席に座り雑誌を読み始める

その後まもなく現れた日向さんに
お腹減ったから早く行こうとそそくさとカフェを出た

ついてきてる気配はなかったが
気持ちは落ち着かず 食事をしていても上の空で

「どうしたのナナミちゃん 何か変だけど大丈夫?」

「あ、いえ..大丈夫です
ごめんなさい少し飲み過ぎが続いて...」

わざとらしい言い訳を突っ込むことなく
いつものように笑顔で沢山話を聞かせてくれた

お店に着いても工藤が来るんじゃないかと
心配で落ち着かなかったけれど
これではダメだと言い聞かせ仕事に...日向さんに集中した


閉店後BARに行き今日の話を聞き送るというレイコに
私の家の方が遠いからと断るも
ダメと聞き入れないレイコに家の前の道まで送ってもらった

「ありがとう」

「いいんだよ~」

明るく笑うレイコに手を振りマンションの入り口に向かう
そしてオートロックを開けようとした時

「お帰り ナナミ」と後ろから工藤の声がした

「ひぃっ」小さく驚き振り返る私に工藤は

「今日も俺にやきもちを焼かせようとしたの?」

笑顔....だけど目が笑っていない
恐怖を感じた私は声も出ず動く事もできず立ち竦む

「店で他の男と話してるの見たくないし
ナナミもそんな姿見られたくないだろうと思って行かなかったけど
やっぱダメだな.....な?」

「ち..が.....う.....」

「なにが?」

スーっと無表情になる工藤に更に恐怖を感じ身体が震える

逃げなきゃ...

動かない身体に力を入れ走ろうとすると腕を掴まれ
それを振りほどこうとすると

「なに?まだ俺の愛がわからないわけ?どうすればわかるの?」

その声は冷たく顔は無表情で今までの工藤とは思えないほど豹変した


怖い...怖い...助けて......


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押し迫る恐怖

BARに着いてすぐマサにも話を聞いてもらった
悲壮な面持ちで話す私に...

「 店暫く休んだ方がいいんじゃねえか?」

「うん、、でも他のお客様に迷惑かけるだろうし
あんまり休むと成績が・・・」

「はぁ?バカかおまえ?そいつが頭に乗れば
他のお客にも影響あるだろ
成績より自分の心配しろよ」

「そうだよナナミ 工藤まじヤバそうだよ」

「うん そうだね...アイツが来るかと思うと
全然仕事になんないしね・・・
でも、他のお客様に何て言おう・・・」

「病気とか適当にあるだろ」

「それじゃ心配させちゃうじゃん...」

「だから!今は客より自分だろうよ
もうちょっと危機感持てよ」

「ナナミ...日向さんは?」

「あぁ...今ちょっと忙しいらしくてね...」


勿論、こんな事日向さんには言えない
どうしたものかと考えてもどうにもならない気がして

「一応警察に相談しておいたら?」

「実害なきゃ動かないでしょ警察なんて」

「そうだけど...」


危機を感じるものもあるけど電話もメールも拒否していて
お店に1度来ただけだし
証拠もないし つきまとわれてるとまで言えないので
警察への相談は今はまだやめておこうという事になった
そして
お店はもう少し出てみて支障があるようなら
マネージャーに相談して休みを貰うという事で
その日の話は終わった

それから2日経った出勤の日
タクシーを捕まえようと通りまで出て待っていると
見覚えのある白い車が止まり助手席の窓が開いた

ひぃっ....

「ナナミこれから出勤? なら食事しようよ同伴するし」

「いえ、先約あるので」

「そうなの? あ あれ...俺に焼きもちやかせようとしてる?」

「違います」


っていうか、何で?偶然??

「じゃ~送っていくから乗りなよ」

「結構です!」

「せっかく心配だから この辺だって聞いてたから
見にきたんだよ.....」

切なそうに見る工藤・・・

やっぱり...

「とにかく結構なので」

そう言って車の進行方向とは逆に早歩きし
通りかかったタクシーに乗った

レイコに電話をして途中レイコを乗せ
お店に出勤しようとした時 後から

「あれナナミ同伴とか言ってなかったっけ?」


私とレイコの顔が強張る

振り向きざまに「キャンセル」とだけ言い店に入った


徐々に押し迫る恐怖を感じながら...

増長していく男

閉店近くの お店には工藤の他に3席 5人いるだけ
席を離れるに離れられない状況
これを狙ってきたのかもしれない...

「ナナミ?いい加減機嫌直そうよ
まっ、そのやきもちやいてる顔も可愛いけどさ」

ナニイッテンダ...
オマエニナンデヤキモチヤクンダ...
イイカゲンニ...

「ちょっ!マジいい加減に...」

声を少し張ったところにレイコが席についた

「いらっしゃいませ~」

「レイコちゃん久しぶり~」

話を変えようとするレイコだけど工藤には全く通じない

「ナナミって凄い嫉妬心強いんだな
それだけ俺の事好きなんだろうけどさ...まっ、だから今日は
この後2人で食事でも行って仲直りしようって話てんだよ~」

「あ...えっ?ナナミは今日私と約束してるんだけど」

「そうなの? でも今日は遠慮してよレイコちゃん わかるでしょ?」

レイコが絶句する

「工藤さん...行きませんよ私 今日も..これから先も...」

「ナナミ レイコちゃんが居るからってテレなくていいんだよ」

話にならない...何を言ってもダメだ

「テレてないし!!
私は工藤さんを好きじゃないし凄く迷惑なんです」

「ちょナナミ 声でかい...」

その声を聞いてマネージャーが席に来る

「ナナミさん 」

我に返り席を立つと

「もうマネージャーも空気読めないんだな」と
ブツブツ言いながら水割りを口にする

更衣室に入るとマネージャーは

「今日はもういい 後は適当に言っておくから
レイコと帰りなさい」

「はい、すいません...」

その後すぐレイコと店を出でBARに駆け込んだ

恐怖の始まり

ディスプレイに表示された名前は工藤...

「えっ...何で・・・」

無視して放っておこうと携帯を置いたが
着信音は鳴りやまない...

「ちょ、まじ何なの・・・」

それでも無視していると切れた...が
またすぐに着信音が響く
それが何度か続きやっと鳴らなくなり
拒否するかどうか悩んだ

結局、拒否できないまま昼を迎え
そろそろ良い時間だろうからレイコに電話を
と思った瞬間 着信音が鳴り響いた

「うそ...」

工藤からで朝同様 無視しても何度か繰り返され
気持ち悪くて拒否にしレイコに電話をした

「まじで....ヤバイね そっち行こうか?」

「いや、私がレイコんとこに行くよ...良い?」


レイコの所へ行く途中携帯がメールを受信した

≪ ナナミどうした?電話繋がらないけど
まだ怒ってるの?

ほんとあのメールは営業なんだってば
もうメールしないよう言ったから
そんなに怒るなよ ≫

ちょっ...

メールも拒否しなきゃ・・・・


レイコのところへ行きメールを見せ悩む...


「まじヤバイね 工藤...」

「電話もメールも拒否は出来るけど...お店は...」

「話しておいても
お店で何もなきゃ出禁にはできないだろうし...」


その日は出勤時間より早くにお店に行き
ランチでの経緯と電話、メールの事を
マネージャーに話をした

お店に来たら指名だし全く席につけない事は出来ないけど
できるだけ席にいる時間を短くするし
同伴やアフターなどのお誘いはお断りして良いと言ってくれた


憂鬱なまま営業が始まる

お客様が来店する毎にドキッとし
他のお客様についていても来るんじゃないかと
接客どころではない心境だった

そんなまま 後1時間という所で工藤がお店にやってきた...


顔が引きつっていく・・・

マネージャーが目配せをしながら名前を呼ぶ
席につかないわけにはいかない...

ついていた席の水割りを一気に飲み干し工藤の席に行った
笑顔なんて作れるはずもない...

無表情な顔で「いらっしゃいませ」と言うと
満面の笑みで工藤が

「いやぁ~遅くなってごめん 」

「いえ、、、」

「まだ拗ねてるの? ほんとあれは...」

と言って あのメールの主に
メールはしないで欲しい旨を伝えたメールを見せてくる

「ね? 電話もしておいたし もういいだろ?」

意味がわかんない...
仕事だから少しは話をと思っても声が出ない
1人陽気に話す工藤

「じゃ今日はお詫びに終わったら好きなものご馳走するからさ?」


マジヤメテ...ウザイ...キモイ.....
オマエナニカンチガイシテンダヨ
オマエトナンテイッショニイタクナインダヨ...


怒りと気持ち悪さが頂点にこようとしていた...

最悪な目覚め

転んだ時の傷はたいした事はなかったけど
擦り傷が見えるのが嫌で
軟膏を塗りガーゼを貼ったら大袈裟な感じになって
お客様みんなに心配された
酔って転んだと嘘をついたけど
レイコは嘘に疑問を持ったようで....
私も少し不安だったから話しておこうとBARに来た


工藤とのランチの帰りの経緯を話す...


「何それ!!勘違いし過ぎだろ!!」

「でしょ!
やきもちなんて焼かないわよただの客に」

「普段ボーっとしてるナナミがキレたんだから
もう来ないんじゃない?
ナナミ怒ると人変わっちゃうからねぇ アハハハ 」

「だと良いんだけどね」


カウンター越しに話を聞いてたマサが口を開く...

「ただの勘違いヤローだったらいいけどな
ストーカーも所謂 勘違いヤローだろ
気ぃー付けた方がいいぞ」

「ええっ...そんな怖い事言わないでよ」

確かに最後の「怒った顔も可愛いね」と言った
工藤の顔のはゾッとしたけど...

「マネージャーにも経緯は
話しておいた方がいいんじゃない?」
 
「やっぱそうかな...」

「うん、来なきゃいいけど...来るかもしれないし」

「うん 」


不安はあるものの来ない事を祈るしかなく次の日を迎えた

朝早くから携帯が鳴る...

「んもぉ~うっさいな 誰よこんな朝早くに」

ゴソゴソと携帯を取りディスプレイを見た瞬間
寝惚けていた頭に電気が走った

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勘違い男

無駄に抜け道を知ってる工藤は自慢げに言いながら
中道に入り車を走らせる

「この道の先を曲がって真っ直ぐ出れば
ナナミの言ってた通りに出るんだよ」

「そうなんだ 凄い よく知ってるんですね」

それほど広くない道にはあまり人気もなく
こんな道あったんだと感心してると工藤の携帯が鳴った

着信を確認し車を止める

「仕事の電話だからちょっとだけ待って」

と車を降りた工藤は何やら真面目な顔で話してる

「ぷっ...真面目な顔してるよ」

電話を切った工藤が車に戻り走らせようとすると
携帯がまた鳴る...今度はメールだった

簡潔にOKとだけ打ちハートの絵文字を入れ送る

「あら 彼女?」

特に悪意も無く聞くと真面目な顔で

「やきもち? 違うよ 営業メール ほら」

別にどうでも良いのに...と思いながら
送られてきたメールを見せる工藤の携帯を覗きこんだ


その時


グッと腕を捕まれ肩に手を回され顔が近づく

「ちょっと!!痛い!!!」

「やきもち焼いた顔も可愛いよ」

何勘違いしてんだこの男!つか痛いんだってば
顔を反らし抵抗して何とか手が離れた瞬間
ドアを開けて降りようとすると すかさず腕を掴まれる

「ほら、もうすぐだから乗りなよ」

嫌だ...絶対嫌だ.....

その腕を振りほどく勢いで外へ倒れ出る

「いった~~~」

「何やってんだよ 大丈夫?」

「何って.....」

キレた...

「勘違いしてんじゃないわよ!
アンタが変な事しようとするからでしょ!!」

「怒った顔も可愛いねぇ」

何...気持ち悪っ

「バカにしてんじゃないわよ!サイテーね!!」

キッと睨み
転んで擦りむいた足の痛さも忘れ走った

振り返るが追いかけて来る気配は無い

曲がった所で走るのをやめてもう一度確認する

「はぁ...来てない...何なのよアレ・・・・痛いし...」

擦りむいた足からは血が滲みまわりが赤くなっている

「あ~もう最低!こんなとこ見えるじゃないよ・・・」


でも、まぁこれで来なくなるかな...

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間違い

次の同伴の約束をせずに帰った工藤から
メールも電話も無く5日が過ぎた

諦めたかな...それなら良いんだけどな


そんな思いも虚しく6日目の遅い朝に電話が鳴った
デシスプレイには工藤の文字

「あぁぁぁぁ きたー はぁぁ出たくない」

それでも出ないわけにもいかず深呼吸してタップする

「はい、もしもし」

「ナナミ 何してんの?」

相変わらず馴れ馴れしく話す工藤から
ランチのお誘い...
行きたくないけど邪険にも出来ないので
お誘いを受け ランチに行くことに...


工藤の車で行ったという事もあり
シラフで話を聞くのはキツイものもあったが
食事してお茶を飲み早々に店を出た

「美味しいかったです ごちそうさま」

「今度はアフターね?」

諦めるという事を知らない男だな...
1人じゃ嫌だからレイコ誘って行くかな...

「それじゃ~送るよ どこ?」

「いえいえ 悪いので適当なところでいいですよ」

「大丈夫だよ 気にしないで」

気にするんだよ...
家とか知られたくないし...

まっ、でもちょっと遠くの適当な所言っとけばいいかな

「あはは...じゃあ お言葉に甘えて」


これが間違いだった...
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